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【記者コラム】巧者・雨谷が語るスタート考

 スタート、どれくらい見ていますか。競馬のスタート、見ますよね。ボートレース、絶対見ますよね。では、競輪は?見なくてもいいという人もいるのでは。ただ、競輪だってかなり大事。新山響平ら突っ張って押し切れる選手なら、前受けできれば必勝態勢。チャレンジの二分戦は新人が前を取れば、そのまま決着することは多い。今回はそんな結果に大きく関わるスタートを掘り下げる。

 スタートといえば雨谷一樹(33=栃木、写真)だろう。長年、日本のチームスプリント第1走を務めたスタンディングのスペシャリストだ。スタートに大事なことを聞くと「やはり反応だと思う。僕はもうだいぶ遅くなりましたけど、発走員の口を見てスタートしている」と説明。〝ヨーイ〟という発走員の口元を注視し。号砲のタイミングを探り反応している。

 基本的に内枠が有利。少しでも車輪を差し込んでいれば、優先走路となるためである。それでも、雨谷の言う「反応が速い選手」がいれば形成は逆転する。では、どういう人が速い?「反応が大事なので、体重が軽い人は速い」と雨谷は言う。体重が軽ければ体を動かすための必要な筋力が減り、脳が〝動け〟と体に指示をしてから動き出すのが速い。展開推理としても、外枠に体重が軽い選手がいれば注意だ。(体重100㌔超えでも、バック宙ができるほど筋肉量があり俊敏な島田竜二は例外)。

 次に、スタートを取るとどれくらい脚を使うのか。「これは調子による。調子が良ければ全く脚に来ないし、悪いと脚にくる。基本的には2、3歩で相手に諦めさせるのが理想」と雨谷。グッと踏み込んでスタートを取っても2、3歩なら、その後のレースに影響なし。ただ、スタートで〝踏み合い〟になるとそれなりに脚にくるということだ。(3週後につづく…。)

 ◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の28歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。昨年は中央競馬との二刀流に挑戦。今年から再び競輪1本に。愛犬の名前は「ジャン」。

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