山間部に位置する青森競輪場。だが、かつては海沿いにあったことをご存じだろうか。記者が生まれた83年に現在の場所へ移転。それまでは合浦(がっぽ)公園(写真上)で開催されていた。その跡地がどう活用されているのか気になり足を運んできた。
合浦公園はJR青森駅から東へ4㌔以上離れており、記者はレンタサイクルで風を感じながら向かった。公園としては青森県で最も古く、野球場や遊具広場などがあり市民の憩いや交流の場になっている。競輪場があったのは現在の多目的広場(同下)。だ円形がバンクの名残だろう。
公園管理の男性を取材すると「当時車券を買っていた」と聞きびっくり。オールドファンの貴重な話に耳を傾けた。
旧競輪場は現在廃駅のJR浪打駅が最寄りで「開催時はもの凄い人の数が駅から歩いてきた」と男性は懐かしむ。市街地からも近く「駐車場は常にいっぱい。混雑が凄かったから今の場所に移転したんじゃないか」と当時を思い返してくれた。公園は桜の名所としても有名。ソメイヨシノやヤエビニシダレが600本以上植えられており、競輪場としてにぎわわっていた当時から変わっていないという。
春は桜、夏は海水浴場、秋は紅葉、冬は歩くスキーが楽しめる合浦公園。陸奥湾からの海風が吹き込む公園内で、ジャンが鳴り響く光景をタイムスリップして見てみたいと思った。
◇小野 祐一(おの・ゆういち)1983年(昭58)10月26日生まれ、秋田県出身の39歳。06年スポニチ入社。予想では調子、ラインの結束力を重視。青森競輪のイメージキャラクター「葵萌輪(あおい・もりん)」が大好き。