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【記者コラム】真備ちゃん、お疲れ様でした

 衝撃的なタイミングでクイーンが王冠を置いた。昨年のガールズケイリン賞金女王・高木真備さん(まきび、27=東京、106期)が4月3日、電撃引退を発表。「競輪をやり切ったんです」と、はっきり言い切った。悲しげではない、いつもの明るい笑顔を見て救われる思いだった。

 一度聞いたら忘れられない「真備」という特徴ある名前。ファンに愛されて頂点へ駆け上がった。お世辞にもデビューから強かったわけじゃない。でも逃げた。勝てなくても逃げた。そして勝てるようになった。最初は先行するとフラフラで立ち上がれず、選手仲間に肩を担がれたことも。負けたのが悔しくて涙を流したことも。その繰り返しが真の強さを生み出した。

 記者は真備さんの〝ギャップ〟に魅了された。サンリオのキャラクター「マイメロディ」のグッズをいつも持ち歩き、長年乗った愛車は派手なハート柄のピンク色のフレーム。自転車を降りれば、どこにでもいる女の子。大手ハンバーガーチェーンが大好きなところも庶民的で親近感が湧いた。

 この写真は初めて取材した14年7月立川。地元デビュー戦で初々しく目を輝かせていた。前検日に意気込みを聞きながら「この子は強くなる」と感じた。だが、初日のレースでまさかの落車。それでもケロッとした表情で残り2日間を走り切り、2走とも逃げた。あのガッツある走りがシンデレラストーリーの原点だった。

 8年間の選手生活は賞金女王になるという夢をかなえて完結。真備ちゃん、本当にお疲れさまでした。

 ◇小野 祐一(おの・ゆういち)1983年(昭58)10月26日生まれ、秋田県出身の38歳。06年スポニチ入社。競輪取材歴は大阪本社で2年、東京本社で約11年、西部総局で2年。全国各地の競輪場でS級、A級、ガールズの選手を取材したのはスポニチ史上初めて。

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