「第37回共同通信社杯(GⅡ)」が、9月17日から岐阜競輪場で開催される。
若手の登竜門ともいえるシリーズで山口拳矢、寺崎浩平ら次代を担うスター候補性が参戦する。そして彼らの前に立ちはだかるのは〝世界レベルの快速〟脇本雄太だ。東京五輪の激闘から中0日の強行軍で出場したGⅠオールスター(いわき平)で決勝2着と実力をアピール。続く向日町記念(2~5日)では圧巻の走りで完全V。他の選手とは次元が違う強さだった。
今回の共同通信社杯は無観客開催となったが、SS班9人をはじめ競輪界のトップが集結。そこで脇本がどんなパフォーマンスを披露してくれるのか、楽しみでならない。
その脇本の強さを向日町で再認識したのが、松浦悠士(30=広島、写真)。脇本との対戦となった初日特選で松浦は単騎戦。追い上げた脇本の後ろに飛び付く形になったが脇本の仕掛けに踏み遅れ、新田祐大と接触するアクシデント。その時に首と肩を痛めてしまったようだ。2日目以降は万全の状態では走れず、準決は捲り不発で5着敗退。脇本へのリベンジは果たせなかった。不完全燃焼の4日間を、こう振り返る。
「現状のままでは脇本さんに歯が立たないということがはっきり分かった。岐阜(共同通信社杯)に向けてというより、グランプリに向けて練習方法を変えていきたい。少しでも強くなれるようにトレーニング方法を見直したい」
今年は5月のGⅠ日本選手権(京王閣)、7月のGⅡサマーナイトフェスティバル(函館)を制して、年間獲得賞金ランキングでトップを突っ走る松浦は競輪界をけん引する存在として衆目の認めるところ。それだけに〝最強のオールラウンダー〟として世界レベルの脇本打倒へ進化を目指すと同時に、ますます闘志を燃やすことだろう。(下野 章雄)
【記者コラム】打倒・脇本に闘志を燃やす松浦悠士
2021/9/15