もっと公平に、もっと魅せられるはず!現在、選手の脚力向上とスピード化により初手が結果に直結する。その初手をほぼ決定づける「車番」は超重要。そんな車番の決定方法はこのままでいいのだろうか。
現状、車番はミッドナイト以外、番組編成委員が決定している。予想されるライン構成や、開催を通してなるべく平等になるよう決められる。ただ、大事な決勝で内の車番をもらえるか。また、地元は優遇され、逆に地元バンクがない選手は不利など不満は出る。さらに、ファンも注目している車番が、しれっと決まるのはもったいない。
個人的には「抽選」か「結果」で決めるのが良いと思う。抽選はいわゆる〝ガラポン〟。偏りは発生するかもしれないが、一番公平ではある。また、ビッグレースの決勝などで、その様子を配信すればファンも盛り上がるだろう。ボートレースのグランプリでは艇番の決定抽選をライブ配信。1万人超がその様子にくぎ付けになっていた。また、競馬の有馬記念ではTV中継もある。昨年の静岡GPの車番は選択制だったが、発表があまりに味気なく、もったいなく感じた。抽選なら盛り上がりるだろう。
「結果」というのは選考順や開催中の車券貢献度によるもの。力の差があるA級では一層レースを単調にしてしまうだろうが、力が拮抗(きっこう)しているビッグレースなら可能だろう。予選は選考順位順に内枠を与える。シリーズ中は着順にポイントをつけ、そのポイントによって準決、決勝と車番を決める。これなら誰も文句はなく、納得だろう。
平等は難しいが、公平は可能。抽選ならファンに今までにないドキドキも与えられる。結果なら選手はもっと1つ上の着順にシビアになり、レースがエキサイティングにもなるはず。大事な車番だからこそ、決定方法を明確にするだけでも、ファンは盛り上がるに違いない。
◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の29歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。22年は中央競馬との二刀流に挑戦。23年から再び競輪1本に。愛犬の名前は「ジャン」。今年は常に1番車の古性が年間GⅠ全制覇をしてもおかしくないと思っている。