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【記者コラム】関東のエース・平原が復権へ

 昨年のグランプリは和田健太郎の優勝で大波乱の結果に。それ以上に平原康多の動きに〝競輪〟の醍醐味(だいごみ)を感じた。脇本雄太の先行に乗った平原は最終4コーナーで絶好の展開になったが、外を踏んだ清水裕友を止めてアシストに専念。初連係の脇本の頑張りに援護で応え、結果よりも内容、ラインとしての心意気をすごく感じる一戦となった。
 
 年が明けた立川記念でも平原の存在感が輝いていた。初日は気迫の先行策で地元の鈴木竜士とワンツー。その後も俊敏な組み立てで順当に勝ち上がった。改めて凄みを感じたのが決勝だ。打鐘前で目標の鈴木庸之が故障発生のアクシデントも、動じることなくすかさず自力に転じる。戦局を見極めて2コーナーから捲ると、逃げる郡司浩平を捕らえてVを決めた。
 
 「(鈴木庸の故障で)すぐに気持ちを切り替えた。後ろには地元の鈴木(竜士)君がいたし、踏んでいった」。地元を背に迷いは一切なく、冷静な判断と強じんな脚力が光った。結果として鈴木竜は離れてしまったが、ラインを大切にする心意気、絶対に仕掛けようという意志はプロフェッショナルの塊。まさに選手としての鏡だ。
 
 続く大宮記念は地元だけあって連日の番手回り。自力戦ではなくても、存分に存在感を示していた。連日、イキのいい機動型をリードして白星を重ね、無傷で進んだ決勝。森田優弥の先行に乗ると激しく捲り返した清水裕友を合わせて捲り、大宮記念8度目の優勝を決めた。これで今年は立川、大宮と記念連続Vで幸先いいスタートを切った。「デキすぎ。今年もまだ長いけど、いい結果を出せるように頑張りたい」と驚きの表情をみせたが、着実に調子を上げているのは確かだ。むしろ、脇本との連係でさらなる進化への道を進んでいる。この勢いで全日本選抜(2月20~23日・川崎)に乗り込み、大舞台で完全復権を完了するつもりだ。(栗林幸太郎