ニュース&記者コラム

【記者コラム】ツキのなさも何の‼小堀A2特昇

 2月27日の立川で小堀敢太がA2班への特別昇班を決めた。普通は9連勝して3場所連続完全優勝を飾れば昇班できるのだが、小堀の場合はちょっと異なる。立川の前には宇都宮で完全優勝しているが、その前の防府がレアケース。連勝で勝ち上がった決勝が雪のため中止順延。さらに翌日もその影響が残り、最終日が中止になってしまったのだ。

 ただその前の名古屋でも完全優勝しているため、防府開催はノーカウント扱いに。結局、名古屋の初日から11連勝で特昇を決めた。さらに言えば、名古屋の前の奈良でも3日間連続先頭でゴールしたが、決勝は内側追い抜きで失格の憂き目に。何ともツキのない選手だったのだが、ようやくはい上がった。

 立川の前検日には「どれだけ勝ち続ければいいんでしょうか」と複雑な胸の内をのぞかせていた。立川開催には小堀を含め125期の同期が5人参戦。「怖いですね。つぶされると思っています」と不安げに語っていた。初日はいったん引いて中団から捲って勝利。「突っ張るつもりだったんですが…。突っ張れないようでは上に上がっても通用しない。プレッシャーは特にありません。特昇できなかったら自分が弱いだけですから」と反省していた。

 2日目は先行する同期の滝川幸広を中団からカマして勝利。強烈な踏み出しに後続が離れるほどだった。「カマす作戦でした。踏み出し良く駆けられた。まずは決勝に乗れて良かった」とホッとした表情を浮かべていた。決勝は同期4人が勝ち上がり激戦が予想されたが、小堀は中団から持ち味のダッシュ力を生かすレースを選択。ここでも後続をぶっち切り、2着に4車身差の完勝で特昇を決めた。注目の小堀の昇班初戦は、きょう13日からの川崎ミッドナイト開催になる。(鈴木 智憲)

 ◇小堀 敢太(こぼり・かんた)2000年6月26日生まれ、北海道出身の24歳。24年5月125期生としてデビュー。師匠は明田春喜。中学、高校はトライアスロンとスキーに熱中。京産大時代から本格的に自転車競技を始める。1㍍70、68㌔。血液型A。

 ◇鈴木 智憲(すずき・とものり)1967年生まれ。愛知県出身の57歳。92年スポニチ入社。97年から2年間競輪記者を経験。当時は神山雄一郎、吉岡稔真が東西の横綱として君臨していた。24年4月に26年ぶりに現場復帰。

KEIRINスポニチ ファン必見!
最新ニュース配信、ミッドナイト詳細予想、記者コラム、ガールズケイリンなど無料で見られる情報が満載。そのほか、お得なキャンペーンも。