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【記者コラム】500バンクの力勝負は見応えあり

 1月18日決勝の大宮記念は平原康多(39=埼玉)の3連覇で幕を閉じた。平原は大宮記念9回目の優勝で「いい後輩に恵まれました」と真っ先に後輩たちに感謝の気持ちを表した。平原の人柄、競輪に対する姿勢の全てを後輩たちが尊敬するからこそのレース運びが随所に見られた。また落車のダメージが残る平原も「(地元戦の)気持ちで頑張る」と完全Vで主役の座を全うした。〝競輪は人(人情)が走るから魅力〟を改めて印象づけたシリーズだった。

 17日の準決勝10Rも記憶に残るレースとなった。119期の新鋭・犬伏湧也(26=徳島)が深谷知広(32=静岡)に挑戦した。連勝で勝ち上がった上昇一途の犬伏が先行すると深谷もすかさず巻き返して力勝負。内に犬伏、外に深谷。両者の壮絶な踏み合いは500バンクのゴール直前まで続いて、深谷が写真判定で犬伏に踏み勝ち3着だった。

 深谷は「力勝負しようと思っていた。(犬伏に)合わされたし内容的には負け…。自分がデビューした時に(先行の)先輩たちはこんな気持ちだったのかと分かった」。いつもと微妙に違う振り返りは深谷なりの思いがあったのだろう。

 深谷と犬伏の好勝負を見て〝500バンクの力勝負〟のシーンをいくつか思い出した。記念では00年5月の宇都宮決勝。小嶋敬二(石川)と斎藤登志信(宮城)の力勝負を当時の名アナウンサーが「平成の名勝負」と実況した記憶がある。

 直線が長く先行選手にとって厳しい500バンク。それだけに先行選手の意地とプライドを懸けた力勝負は見応えがある。10年まではGⅠ高松宮杯が500バンクの大津びわこで開催されていた。私のデビュー時は東日本が宇都宮、大宮、西武園、千葉。西日本が大津びわこ、高知、松山、門司、熊本で計9場あったが徐々に減少。現在開催されているのは宇都宮、大宮、高知の3場のみ。そういえば「○○選手は500が巧い」というファンの声を聞く機会が少なくなった。

 ◇中林 陵治(なかばやし・りょうじ)1962年(昭37)7月13日生まれ、熊本県出身の59歳。慶大卒。87年4月入社、翌5月に坂本英一(栃木)ら59期生デビュー戦(花月園新人リーグ)で記者デビュー。以来、競輪の現場取材一筋35年。9車の勝負レースは5車の結束、番手捲り、競り。

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