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【記者コラム】900勝神山 デビュー以来変わらぬ真摯な姿勢

 神山ファンの記者がまた神山に魅せられた。3日の函館競輪第8Rで神山雄一郎(55=栃木)が通算900勝を達成した。

 GⅠ優勝16回、通算取得賞金29億円をはじめ数々の記録を塗り替えてきた神山が節目の1勝に「ここ半年は期待に応えられずに苦しかった。半年練習してやっと勝てた。練習はうそをつかない…」。函館のファンを前にあいさつした神山の声は震えていた。この真摯(しんし)な姿勢は88年5月のプロデビュー以来、変わらない。

 神山は実家が自転車店をやっていた時期もあり「気がついたら自転車に乗っていた」という自転車少年。作新学院時代は高校まで片道40㌔の距離を雨の日も風の日も休まずに3年間、自転車通学した。高校卒業後の87年に競輪学校(当時)61期生として入学。在校時は121戦110勝というケタ違いの数字を残した。

 デビュー後も順調に駆け上がり、91年にはグランプリ初出場を決めて「タイトルは時間の問題」だった。しかし吉岡稔真(引退)、海田和裕(引退)、高木隆弘(神奈川)の年下に先を超された。エリートが初めて焦りを感じていた93年9月。地元宇都宮のオールスターで特別初制覇。号泣の表彰式では詰めかけたファンも涙した。ファンには神山の競輪に対する姿勢が伝わっていたからだ。

 04年の西武園オールスター優勝も「僕は競輪が好きだから…」と言葉に詰まった。91~01年に11年連続でグランプリ出場をしていたが02、03年は不出場。苦しい時期を乗り越えてのGⅠ優勝は違う1勝だった。

 そして900勝は「ファンの期待に応えたい」と強い思いの中、55歳の年齢という現実との戦いに勝ってつかんだ1勝。ファンに感謝の気持ちを語るのに感情があふれ出たのは神山だからこそ。神山がグランドスラム達成(99年)時にスタンドにあった「神山の夢は僕らの夢」の横断幕がファンの気持ちなのだ。

 ◇中林 陵治(なかばやし・りょうじ)1962年(昭37)生まれ、熊本県出身の60歳。慶大卒。87年4月入社、同5月から競輪担当で現場取材一筋36年。デビュー戦(59期生以降)から見てきた選手で最強は神山雄一郎、最速は吉岡稔真。

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