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【KEIRINグランプリ2023】松浦 悲願の競輪日本一

 広島から初のグランプリ王者が誕生――。「KEIRINグランプリ2023」が30日、立川競輪場で行われ、松浦悠士(33=広島・98期)が単騎で捲った深谷知広の後位にスイッチして差し切り勝ち。5年連続5回目の挑戦で悲願の競輪日本一に輝き、賞金1億3700万円(副賞含む)を獲得した。松浦の今年の総獲得賞金は2億5270万円で初の賞金王に君臨し、通算取得賞金額は10億円を突破した(通算39人目、現役では21人目)。2角から単騎で捲り上げた深谷知広が2着、最終バック8番手から迫った真杉匠が3着だった。

なかやまきんに君(右)とポーズを決める優勝した松浦

 燃える赤ヘルが極上の差し脚を伸ばした。イメージカラーの赤の勝負服に身を包んだ松浦がVロードを直線一気。いつもの屈託のない笑顔で表彰台に立つと「今回獲れなかったらもう獲れないんじゃないかと思っていた」と秘めた思いを明かし、「苦しい1年だったのでうれしい」と目頭を押さえて感涙にむせた。

 瞬時の判断が明暗を分けた。ハイピッチで逃げる新山を脇本がカマして襲いかかる。「緩んでも仕掛けずに我慢しようと(清水)裕友と2人で話していた」と松浦。展開は想定の一つ。だが前を託した盟友が捲り不発。松浦は温情を捨てシビアに深谷へスイッチした。「浮いたのが見えたので待って失敗したことが過去にあった。早めでも〝ごめん〟と思いながら切り替えさせてもらった」。勝負どころのジャッジは心を鬼にして栄冠をつかみ取った。

 今年は激動の1年。サマーナイトフェスティバルで前人未到の大会3連覇。順調に賞金を積み上げたが、真夏の祭典で悪夢が襲った。8月西武園オールスターのシャイニングスター賞で大量落車に巻き込まれ左肩甲骨、左鎖骨を骨折。全治1カ月の重傷だった。グランプリへ向けた最終調整の段階では、へんとうが腫れるアクシデント。次々と襲いかかる荒波を乗り越えたヒーローは「苦しい1年間だったので最後は笑顔で終われてうれしい」と満面の笑みだ。

 新王者は語る。「今年は裕友が前で頑張ってくれたので今後は裕友の助けになれるようにという思いもある」と中国黄金コンビの結束力をさらに深めることを誓う。続けて「まだまだ自分自身、未熟なところがあるので中四国の先輩後輩方にしっかり恩返しできるような選手になっていきたい」と決意表明。オールラウンダーの究極戦士が、競輪界の中心となり新しい時代を築いていく。

松浦 悠士(まつうら・ゆうじ)1990年(平2)11月21日生まれ、広島県広島市出身の33歳。市立広島工高卒。10年7月プロデビュー。通算成績は1200戦346勝。通算取得賞金は10億1568万円。主な優勝は第61回競輪祭(19年)、第4、7回ウイナーズカップ(20、23年)、第63回オールスター(20年)、第75回日本選手権(21年)、第17、18、19回サマーナイトフェスティバル(21、22、23年)、KEIRINグランプリ2023。1㍍68、73㌔。血液型O。

 ◆次走 優勝の松浦悠士、2着の深谷知広、3着の真杉匠は1月5~8日の大宮記念。

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