<岐阜競輪のGⅠ「第3回オールガールズクラシック」は27日12Rで決勝戦が行われ、佐藤水菜(26=神奈川)が打鐘過ぎ先行でペース掌握。梅川風子の捲りを合わせての逃げ切り勝ちで第1回大会ぶり2回目のVを飾った。2着は児玉碧衣、3着は梅川。2車単、3連単ともに1番人気の大本命決着だった。優勝した佐藤水は賞金900万円(副賞込み)とガールズGP2025(12月29日、平塚)の出場権を獲得した。>

打鐘で一気に踏み込み、先頭に立つ。佐藤水の後ろは内に児玉、外に梅川で並走に。最終1センターで梅川が仕掛けると、世界を制したダッシュで合わせ切り、直線では内を迫る児玉を封じて逃げ切りを決めた。引き上げてくると同期の日野未来らとハイタッチ。全身で喜びを表現した。
「児玉さんが自分に飛び付いた時点でしめしめと。競技ではああいう展開が多いのでゴールまでしっかり走れました」
昨年は世界選手権ケイリンで日本選手初の金メダルを獲得。ガールズケイリンではGⅠを制し二刀流の活躍が続いたが、年末のグランプリは2着に終わった。今年初のGⅠとなる今大会は期するものがあった。
「競技で他のGⅠを走れない悔しさもあったので900万円の賞金は素直にうれしいです」
これで目標とする年間グランプリスラムが視野に入った。そして今回さらに成長を感じさせる出来事もあった。準決勝では内に封じ込められる展開になり2着に終わった。レースを振り返り「悔しかったです。危機感を持ちました。その中でも踏ん張れたことで成長が見えました」とさらに高みを目指す。
次の目標は6月に開催されるGⅠパールカップだ。「初めて出場するので楽しみです」としっかり照準を定めていく。競技で世界と戦い、国内ではさらにスケールアップした走りを見せる。最強女王はノンストップで年末まで突き進む。(緒方 泰士)
♢<佐藤 水菜>(さとう・みな)1998年(平10)12月7日生まれ、神奈川県出身の26歳。2018年7月デビュー。自転車競技で世界選手権ケイリン金メダル。GⅠ優勝は24年競輪祭女子王座戦、25年第3回オールガールズクラシック。グランプリは23年V。通算成績298戦216勝。1㍍63、59㌔。血液型A。
♦<次走> 優勝した佐藤水菜は6月17~22日の岸和田GⅠパールカップ、2着の児玉碧衣は5月5~7日の武雄、3着の梅川風子は5月7~9日の青森。