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【記者コラム】佐藤大地 野球から転身の逸材

 他競技からの転向が多い競輪界。ガールズケイリンの尾崎睦はビーチバレーの全日本チャンピオン。S級で活躍する松谷秀幸はプロ野球から転向で、竹内翼はJリーグ出身。さまざまな能力を秘めたアスリートたちが、競輪道で未知なる素質を開花している。

 昨年デビューした佐藤大地(25=三重・125期)は学生時代、野球に熱中。皇学館大学時には実業団チームの内定をもらっていたが、左肩の故障で断念し、次のステージとして競輪を選んだ。「いろんなスポーツ出身から競輪に行って、活躍している選手が多い印象だったので」。昨年のデビューからチャレンジ生活を1年間経験して、今夏A級2班に昇格。新人らしからぬ冷静沈着な運びと卓越したダッシュ力を武器に、車券に貢献していた。

 一方で惜しいレースも多い。「練習よりもレースの方が脚力以上の結果が出せる。ただ、まだまだ自分の実力が足りていない」。常に自身を客観視して分析できるのは強み。その中で、自問自答を繰り返しながら進化への模索をする。

 練習仲間には皿屋豊や真鍋顕汰がいて環境もいい。「皿屋さんや真鍋さんは強いので、一緒に練習すると自分の脚力不足が分かります。刺激がありますね」。稽古では先輩たちの脚力に圧倒される場面もあるが、格上選手を相手にレベルアップを図っている。その証拠に直近4カ月のバック数19回の中で、今期は来々期のS級点を確保できる位置まで来ている。じわじわと力を付け、攻める姿勢を崩さずに結果を出している。

 「まずは自転車との一体感をつかめるように。その上で自分の乗り方を確立させたい。もっと自信を持って先行できるように」と先を見据える。まだ競輪道は始まったばかり。必ずや正解を見つけ出し、競輪界でもドデカい本塁打を放つ。(栗林 幸太郎)

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