向日町競輪の開設69周年記念「平安賞(GⅢ)」の決勝戦は29日、12Rで行われ阿部力也(31=宮城・100期)が3番手から直線鋭く伸びてV。デビュー8年目で初の記念優勝を飾った。2着は佐藤慎太郎、3着は郡司浩平。また単発レースのブロックセブンは地元の山田久徳が制した。
勝負を決したのは北日本勢4車の結束の固さだった。菅田―佐藤―阿部―鈴木―郡司―田中―松浦―岩津―井上。赤板で松浦が上昇を試みるが、菅田が突っ張り出させない。打鐘で4車の北日本勢が主導権。松浦は外で浮く形になり郡司は並走の6番手。最終2角から松浦が再度、仕掛けるが佐藤のブロックで止まる。3番手で脚をためた阿部が最後は一気に伸び切った。
「抜いたのはハッキリ分かりました。こんなに何もしないで獲れるとは思ってなかったです」
うれしさよりも、すぐには勝利の実感が湧いてこない様子。実力者がそろった中で、ラッキーとも言えるVだがその予感はあった。2日目は最後方からの強襲で1着。そして準決勝は菅田のまくりを差しと抜群の動きだった。佐藤も「阿部は脚があるし今回は仕上がっていた。あの展開ならあると思っていました」と話すように、実力で勝ち取った勝利でもある。
「これで来年のGⅠの権利は獲れたと思うので、力を付けてGⅠの舞台でしっかり戦っていきたい」
このVを弾みにシャープなタテ脚を武器に上位での活躍を誓った。
♤阿部 力也(あべ・りきや)1988年(昭63)3月22日生まれの31歳。競輪選手養成所100期9位で卒業記念レースV。2011年7月18日平でデビュー(21棄)。自在型から追い込み型へのチェンジが成功。今後はビッグレースでの活躍が期待される。1㍍68、70㌔。
◆次走予定 優勝した阿部は10月8~10日の岐阜FⅠ。2着・佐藤、3着・郡司は10月11~14日の前橋寛仁親王牌(GⅠ)。