久留米競輪場で開催されたGⅢ「熊本競輪開設73周年記念・火の国杯争奪戦in久留米」は9日、12Rで決勝戦が行われ、嘉永泰斗の番手捲りに乗った中本匠栄(36=熊本)が地元記念でGⅢ初制覇。嘉永が2着、地元勢追走から外を伸びた郡司浩平が3着だった。
久留米で開催される最後の熊本記念は中本と嘉永の熊本ワンツー。最高の形でのフィナーレとなった。
地元4車の先頭を買って出た松岡が前受けから猛然と突っ張って駆けると、番手回りの嘉永が2コーナーから番手捲り。S級S班の郡司、新山に仕掛ける隙を与えなかった。初日1R、中本の1着で始まったシリーズは中本のVで幕を閉じて、表彰式前はあふれる涙をこらえきれなかった。
「試していたことが結果につながらなく、ふがいないレースばかりで苦しい1年だった。不安もあったけど、連日ラインのおかげで結果を出せた」
20年9月にGⅡ制覇。翌月の地元記念で準優勝し、いつGⅢのタイトルを獲ってもおかしくなかったが、この時まで時間を要した。
「最高の形で終われて良かった。でもまだまだ課題ばかり。気を引き締めてもっとレベルアップしたい」
熊本競輪場は来年6月をメドに8年ぶりの再開に向けて突き進んでいる。中本や嘉永ら、新バンクで躍動する熊本勢の活躍が楽しみだ。
◇中本 匠栄(なかもと・しょうえい)1987年(昭62)4月10日生まれ、熊本県出身の36歳。97期。10年1月プロデビュー。通算成績は1073戦205勝。20年9月の伊東・共同通信社杯でGⅡ優勝。今回が通算21度目のVで、GⅢは初制覇。1㍍70、70㌔。血液型O。
◆次走斡旋 優勝した中本匠栄、2着の嘉永泰斗、3着の郡司浩平は19~22日のGⅠ弥彦・寛仁親王牌。