別府競輪の大阪・関西万博協賛「ナイターＧⅢ」は最終日の14日、12Ｒで決勝（優勝賞金440万円）が行われ、阿部将大の突っ張り先行に乗り番手捲りを決めた大西貴晃（32＝大分）がＧⅢ初優勝を達成した。また11Ｒガールズケイリン決勝は、３番手から先捲りした石井寛子（38＝東京）が完全Ｖを飾った。

　千載一遇のチャンスを大西がモノにした。大一番は６人が進出した九州勢が一枚岩でまとまる陣容。大西と同じ練習グループの阿部が前受けから突っ張り先行。山本が単騎捲り、その外を杉森が捲り仕掛けるも大西がＢＳからこん身の番手捲り。好マークの小川を振り切り、真っ先にゴールに飛び込んだ。

　師匠の菅原晃が見守る中、ホームバンクでしっかり結果を残した大西は「Ｓを取り、突っ張ってくれた将大（阿部）はもちろん、固めてくれた福岡勢にも感謝したい」と顔をほころばせた。脚力、実績、踏んできた場数。勝利を得るために必要な要素は数多い。

　これまでＦⅠの優勝すらない大西がＧⅢ初優出初優勝の快挙を達成できたのはほかならぬラインの厚みがあったから。デビュー13年目にして射止めた金的。阿部が獲った7月の「オランダ王国友好杯」に続き地元のＧⅢウイナーの座に就いた大西は「この先、盛り上げてくれたラインのみんなに貢献したい」と控えめに抱負を語った。

　◇大西　貴晃（おおにし・たかあき）1992年（平４）９月18日生まれ、大分県出身の32歳。101期生として12年７月に玉野でデビュー。通算34回目のＶでＳ級初優勝、ＧⅢも初制覇。通算成績は947戦231勝。１㍍76、71㌔。血液型Ａ。

　◆次走　優勝した大西貴晃は防府ＧⅢ（11月１日～４日）、２着の小川勇介は岸和田ＦⅠ（18～20日）、３着の園田匠は高松ＦⅠ（29～31日）。