新型コロナウイルス感染症の影響により延期されていた日本競輪選手養成所の男子第121回生(68人、在所1位=塩崎隼秀、同39位=後藤大輝は欠場)と、女子第122回生(19人)の卒業記念レースが5日、静岡・日本競輪選手養成所で行われた。女子は畠山ひすい(19=北海道)、男子は纐纈洸翔(19=愛知)が優勝した。男女共に3月3日に卒業し選手登録済み。松戸(30日~5月2日)、松山(5月7~9日)、四日市(同27~29日)、大宮(6月11~13日)のルーキーシリーズ(新人戦)でプロデビューする。
北の大地から初の卒記クイーンが誕生した。畠山が圧巻の逃げ切りで完全優勝。打鐘の合図とともに先手を握ると同期たちを全く寄せ付けなかった。「2連勝で勝ち上がれると思わなくてびっくりした。卒業記念レースは最初から先行で戦おうと決めていたので、決勝も先行できて良かった」。宝石のヒスイのような輝きを放ちながらゴール線を真っ先に駆け抜けた。
函館競輪のホワイトガールズプロジェクト出身。北海道の所属選手を養成させるために選手会が中心となって立ち上げたプロジェクトで自転車のイロハを覚えた。叔父に元プロのサッカー選手がいる血筋。中高とサッカーやバスケットボールで鍛えた能力は自転車ですぐに開花。適性で入所すると在所4位の好成績を収めた。「養成所では脚をつけることが目標。その目標のために先行をやっていた」。脚力アップが目的だった先行策を大一番でも貫き最高の勲章を手にした。
憧れの選手はガールズケイリンのトップレーサー児玉碧衣。「自転車を始めていない頃からでも強いのは知っていた。それくらい強い選手になりたい。そしてガールズグランプリを勝ちたい」。北海道に現れた新星はでっかい夢に向かって走り続ける。
◇畠山 ひすい(はたけやま・ひすい)2002年(平14)5月27日生まれ、埼玉県川口市出身の19歳。私立遺愛女子高卒。師匠は盛田将人(北海道・92期)。1㍍64、63㌔。血液型O。