V請負となった大川と肩を組みS級初Vを喜ぶ原(右)
四日市競輪の「四日市伊勢茶杯・スポニチ賞(FⅠ)」は20日、第11RでS級決勝戦が行われ、原誠宏(36=香川)が捲り上げた大川マークから鋭く伸びてS級初優勝。また10RのA級決勝では阪本和也(26=長崎)が1、2班戦初優勝。初Vリレーで幕を閉じた。
伊藤―中村―松田、大川―原、林―柳詰で周回。中団から赤板で先切りを狙った大川だったが、伊藤に突っ張られ、その上を林に行かれる最悪の展開に。ホームから強引に仕掛けるが、これも林に合わされる。3コーナー手前では伊藤と柳詰が落車。自身も接触して柳詰と共に審議対象となった原だったが、大川にもらった勢いで鋭く追い込みゴール線を1着で通過した。息を整えながらジャッジを待った。結果はセーフの判定。香川勢からの拍手でS級初優勝を確信した。
「本当に嬉しい。数カ月前から調子は上がっていたし、GⅠ組がいない今回はチャンスだと思っていた。こんな僕でも優勝できるってところを見せることができて良かった。突っ張られても行ってくれた大川さんのおかげです」
一つ年上の先輩である大川の奮闘に感謝しきり。最後は肩を組んで初優勝の喜びを分かち合った。次は28日からの佐世保FⅠ戦。「GⅠ級の選手がいる大会でもしっかり走りたい」と気合を入れた。(岡田 光広)
◇原 誠宏(はら・ともひろ)1985(昭60)年7月20日生まれの36歳。06年7月デビューの91期生。10年の名古屋A級初優勝。S級優勝は今回が初めて。直線でのシャープな追い込みが持ち味だが、最近ではヨコの動きにも磨きがかかってきた。1㍍73、73㌔。