四日市競輪の開設73周年記念「泗水杯争奪戦(GⅢ)」は10日、12Rで決勝戦が行われ、新山響平(31=青森)が、中野慎詞追走から番手捲りを決め22年競輪祭以来の優勝、5回目の記念Vを飾った。2着は捲り上げた寺崎浩平。125期によるルーキーシリーズ2024プラスは山崎歩夢(19=福島)が制した。
落ち着いた並びは前から伊藤―井上、単騎の柴崎、中野―新山―佐藤―大森、寺崎―三谷。寺崎が上昇し打鐘前の2角で中野が強烈にスパート。先頭に立ち打鐘で寺崎が北日本4番手の大森をさばいて4番手。中野がさらに踏み込み寺崎は最終2角から捲り上げる。新山は最終バック過ぎ寺崎の動きを見ながら3角で番手から出て行くとそのまま押し切り。寺崎は2着。新山追走の佐藤が3着だった。
「赤いパンツをはいて優勝がなくて恥ずかしかったので2年ぶりでほっとしました」と照れくさそうに話す。自力でも強い新山が、世界で戦う中野を得たのだから走る前からV確率は高かった。それでも「中野君が落ち着いて走ってくれてこれを取りこぼせば次はない」と、外から見るほど楽な戦いではなかったのだ。
これで賞金ランキングは7位に上昇。グランプリ出場をかけての最後の大一番GⅠ競輪祭へ向けてぐっと弾みがついた。22年競輪祭Vの再現へ向けて激走は必至だ。(緒方 泰士
◇新山 響平(しんざん・きょうへい)1993年(平5)11月2日生まれ、青森県出身の31歳。107期。15年7月大宮でデビュー。屈指の先行力でビッグレースで活躍。22年競輪祭でGⅠ優勝。通算成績は766戦217勝。1㍍71、76㌔。血液型A。
◆次走 優勝した新山響平、2着の寺崎浩平、3着の佐藤慎太郎はいずれもGⅠ競輪祭(19~24日、小倉)。