奈良競輪の開設72周年記念「春日賞争覇戦(GⅢ)」は5日、12Rで決勝戦が行われ、近畿作戦がズバリ決まって、地元の三谷竜生(35=奈良)が4連勝で19年12月伊東以来、通算6回目のGⅢ優勝を飾った。地元記念制覇は2回目。2着には佐藤慎太郎、3着には柏野智典が入線した。
「地元で優勝を獲る」。強い思いで参戦した三谷竜が、4連勝完全Vという最高の形で期待に応えた。新田がスタート早く前を取り、阿部―新田―佐藤慎―中西―山田久―三谷竜―栗山―皿屋―柏野で周回。後方から追い上げる皿屋を阿部が突っ張ったところを、中西が近畿勢を連れて赤板前から強引に叩く。さらに最終ホーム前から山田久が番手発進。これに新田が襲いかかったが、三谷竜が新田をブロックしながら三段ロケット。その勢いで押し切り、5年ぶり2回目の地元記念制覇を決めた。
「本当にラインのおかげです。気持ちの入ったレースをしてくれて優勝をしないと」と三谷竜は感謝の言葉を口にする。まさに近畿の絆でつかみ獲った栄冠。脇本雄太、古性優作の近畿SS最強コンビが離脱した中での戦いだけに、高く評価できる。
「近畿でしっかり戦って行けることが証明できた。グランプリを獲れるようにGⅠでも結果を出したい」。
月末にはGⅠ全日本選抜戦(23~26日、高知)が待っている。この勢いで、南国・土佐でも突っ走ってもらいたい。
◇三谷 竜生(みたに・りゅうき)1987年(昭62)9月5日生まれ、奈良支部所属の35歳。101期生として12年7月デビュー。日本選手権を2回(17、18年)、高松宮記念杯(18年)とGⅠは3V。18年にはグランプリを制覇した。1㍍68、77㌔。血液型B。
◆次走 優勝した三谷竜生、2着の佐藤慎太郎、3着の柏野智典はともにGⅠ全日本選抜競輪(23~26日、高知)。