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【奈良GⅢ最終日S級決勝】大矢 GⅢでS級初優勝

 奈良競輪のGⅢ「第9回大阪・関西万博協賛競輪」は6月9日12Rで決勝戦が行われ、6番車の大矢崇弘(33=東京)が2角捲り追い込みで優勝。S級初VがGⅢ初制覇となった。

 2着は元砂勇雪、3着は松岡辰泰。3連単は33万8540円の大波乱決着となった。

単騎で大波乱演出

 伏兵の一撃が大波乱を巻き起こした。単騎の大矢が2角捲りで激戦を制した。「FⅠでも優勝がなかったのにいいのかなって感じ。最近は調子がいいなというのはあったけど、まさかですね」。S級初優勝が何とGⅢ制覇。喜びより、驚きに満ちあふれていた。

 レースは中井―元砂―松岡―松川―三宅―佐藤―大矢―佐々木―菅原で周回。上昇した佐々木が残り2周で先頭に立つ。打鐘で松岡がカマすと中井が内を突いて番手に飛び付く。最終4角で元砂が三宅を外に振ると、後ろにいた大矢が元砂の内を突いて上昇。最終2角から捲った大矢が逃げた松岡を捉えてV。

 「単騎なのでそんなに作戦は考えていなく、空いたら内でも外でも行こうと。残り1周で前の方にいたので2角では覚悟を決めた」

 今回の優勝でGⅠ競輪祭(11月19~24日、小倉)の出場権を手に入れた。「GⅠは凄く遠いものだったけど近くにきたし、これからもっと頑張らないといけない」。この一発で満足はせず、さらなる活躍を誓った。(亀田 克也)

 ◇大矢 崇弘(おおや・たかひろ)1991年(平3)5月12日、東京都東久留米市出身の33歳。早稲田実業高卒。日本競輪選手養成所107期生で15年7月プロデビュー。通算成績は683戦173勝。S級優勝は今回が初めて。1㍍77、90㌔。血液型B。

 次走 優勝した大矢崇弘は17~19日の佐世保FⅠ、2着の元砂勇雪は14~16日の弥彦FⅠ、3着の松岡辰泰は19~21日の福井FⅠ。

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