稲垣裕之(43=京都・86期)が最終ホームから捲って連覇を達成。稲垣は昨年7月の富山記念以来、GⅢ8度目の制覇となった。
竹内がスタートを決めて藤井―竹内―宮越―稲垣―三谷―堀内―小原―柿沢―阿部で周回。青板Bで堀内―小原で上昇すると藤井が突っ張る。堀内は車を引き切らず、竹内の外で粘る。打鐘から藤井が踏み上げ先行態勢。竹内は頭を出しながら、堀内に抵抗するも後退。最終Hで並走の後ろから稲垣―三谷で捲る。阿部がこれに続こうとするも堀内がブロック。稲垣が三谷を振り切り優勝。3着は逃げ粘った藤井だった。
昨年は前を任せた村上博幸の奇襲とも言える先行策に乗って頂点に立ったが、今年は自力でつかみ取った。「一本棒になる前にと思って早めに仕掛けた。久しぶりに捲りが出て自信になった」。人気の竹内が絡まれて隊列が短くなったところを狙い撃ち。「調子を維持するのが難しくなってきた」と話した43歳だが、そこはさすがの勝負勘でカバー。勝負どころでのスピードも健在だった。
最後には「三谷君が最後まで内を締めていてくれたおかげ。(昨年の優勝も)どちらもラインがあってのものです」。自力であって自力だけではない。稲垣らしくラインへの感謝を忘れない連覇だった。
◇稲垣 裕之(いながき・ひろゆき)1977年(昭52)7月28日生まれの43歳。86期14位で2001年8月デビュー。2016年寛仁親王牌V、1711戦510勝。1㍍78、83㌔、B型。
◆次走 優勝の稲垣裕之は松阪FⅠ(31~8月2日)。2着三谷将太と3着の藤井侑吾は小松島FⅠ(8月3~5日)。
【富山GⅢ最終日12R】稲垣 富山記念連覇
2021/7/27