吉田拓矢がGⅠ初制覇――。
今年最後のGⅠ「第63回競輪祭」の決勝戦は11月23日、北九州市の小倉競輪で争われ、吉田拓矢(26=茨城・107期)が優勝。賞金3618万円(副賞含む)とともに「グランプリ2021」(12月28~30日・静岡)の出場権利を獲得した。吉田のGⅠ優勝、GP出場は初めて。
なお競輪祭終了後にGP選手選考委員会が行われ「グランプリ2021」の出場選手9人が決まった。
弟・有希と同日優勝決めた
関東の次世代エースが悲願のGⅠ初制覇を単騎でつかみ取った。「信じられない。これが感無量っていうのかな」。今年ラストGⅠで手にしたビッグタイトル。26歳は笑みを浮かべた。
賞金ランク11番目で迎えた大一番。4着以下なら獲得賞金でGP出場の可能性があったが「タイトルを取ってGPへ」。その強い思いでペダルを踏み込んだ。近畿勢からレースを運ぶプラン通りも「道中で郡司さん、松浦さんに入られた」と勝負どころは思惑通りにいかない。ラスト1周は絶体絶命の7番手。だがスターへの階段を一歩ずつ登ってきた吉田に焦りはない。「道中で落ち着いて脚をためられた。松浦さんが仕掛けて、その勢いをもらって伸びた」。最終2センターから車を外に持ち出し、はじけるように直線中のコースを伸びた。
23日は今年デビューした弟・有希(119期)が豊橋で2場所連続S級優勝。兄弟同日優勝のオマケも付いた。「(弟の優勝は)昼寝をしていて見られなかった」と笑ったが、結果を知り「僕も負けられない」とパワーの源になった。
GPは初出場。「平原さん、宿口さんと関東3人で乗れるので志願して先頭で走り優勝者を出せるように頑張りたい」。競輪王に輝いた26歳は新たな決意を胸に刻んだ。(小野祐一)
◇吉田 拓矢(よしだ・たくや)1995年(平7)5月7日生まれ、茨城県つくば市出身の26歳。県立取手一高卒。15年7月プロデビュー。通算成績は515戦165勝。通算取得賞金は2億5279万円。主な優勝は第63回競輪祭(21年)。師匠は十文字貴信(茨城=引退)。1㍍71、73㌔。血液型O
◆次走斡旋 優勝した吉田拓矢は12月13~15日の立川FⅠ、2着の新山響平は12月23~26日の佐世保GⅢ、3着の園田匠は12月12~14日の豊橋FⅠ。