GⅡ「第37回共同通信社杯競輪」の決勝戦は20日、岐阜競輪場で争われ、山口拳矢(25=岐阜・117期)が鮮やかな捲りで優勝。賞金2269万円(副賞含む)を獲得した。山口のビッグレース(GⅡ以上)優勝は初。また山口はデビュー史上最速(479日=デビュー初日を含まない)GⅡ優勝記録を達成。父はGP2V、GⅠ優勝1回の幸二氏で親子でのビッグレース制覇となった。GⅡ以上の親子制覇は松村憲、信定、稲村雅士、成浩以来3度目の快挙。 地元期待の若獅子・山口が大金星を挙げた。レースは打鐘過ぎの2センターで新山がたたいて主導権を握る。中団で郡司と清水が絡んで、隊列がもつれたところを逃さず山口が2コーナーから一気に発進。新田が合わせて踏み上げるが、山口が捲り切ってビッグレース初制覇を飾った。
「思ったより脚を使わずに、詰まった勢いで行けた。(新田より)自分の方が前だったので、4コーナーの下りさえ我慢すれば大丈夫だと思った」
この大一番でも冷静沈着な組み立てが光った。仕掛けどころも実に適切で、北日本勢の二段駆けを撃破してのVは、山口の強さを改めて世に証明する結果となった。
この優勝により「デビュー後最速GⅡ優勝記録」の更新となった。今まで深谷知広が保持していた524日から、479日に更新する快挙を達成した。「地元で10年ぶりにビッグが開催されるとあって、自分の中で思ったよりプレッシャーもあった。感慨深いものがあります」と地元の重圧に負けず成し遂げた快挙はかけがえのないもので、自身の今後の成長にもつながっていく。
賞金ランキングも8位に急浮上。一気にグランプリ出場圏内まで押し上げた。「やっとスタートに立てた。いい勝負ができるところまで来たので、年末まで気を抜かないように頑張る」と次に見据えるのは競輪界の頂点。ひとつのカベを乗り越えた超新星が、今度はさらなる高みを目指して快進撃を続けていく。
◇山口 拳矢(やまぐち・けんや)1996年(平成8)1月26日生まれ。岐阜県出身の25歳。日本大学中退後、117期生として昨年5月の小倉ルーキーシリーズでデビュー。20年9月無敗でS級特進。GⅡ優勝は今回が初。父はGP2V、GⅠ優勝1回の幸二氏(62期=引退)、兄は聖矢(115期)。
◆次走斡旋 優勝した山口拳矢と3着の鈴木裕は松戸FⅠ(26~28日)、2着の平原康多は久留米GⅢ(10月7~10日)。
決勝VTR 郡司がスタート。郡司―鈴木―清水―平原―杉森―山口―新山―新田―守沢で周回。残り2周から郡司が後方を警戒しながらペースを上げる。打鐘過ぎに清水が前に出るが新山―新田―守沢が一気にスパート。清水は守沢にさばかれ4番手に後退して郡司と並走。最終2角から山口が捲ると平原―杉森が続く。新田は山口をけん制するが山口は乗り越えて直線伸びる。続いた平原2着。
【岐阜GⅡ「第37回共同通信社杯競輪」決勝】山口 史上最速GⅡV
2021/9/21