岐阜競輪の開設73周年記念GⅢ「長良川鵜飼カップ」決勝が4日、12Rで行われ、5番手から鋭く捲った松浦悠士(31=広島、98期)が優勝した。8月の富山記念以来、17回目のGⅢ優勝。松浦に切り替えた平原康多が2着、松浦をマークしていた大槻寛徳が3着に入線した。
レベルが違う。関東勢、地元勢と2段駆け態勢の中、S班松浦が最高峰のタテ脚を発揮した。レースは強引に叩いた志田龍星を、3番手から真杉匠が捲り返す形。その外を松浦が豪快に捲って格の違いを示した。
「真杉君も脚力を消耗していたので、平原さんさえ乗り越えれば勝負できると思った」。ハイペースの流れの中でも、Vだけを見据えて冷静沈着な運びと鋭い出脚が光った。今節は2日目に発走直後に落車する事故。それだけに留飲も下がった。「今回はアクシデントもあったので、うれしい。準決は踏んだ感じが重かったので、調整して感触は良かった」と大一番でしっかり修正できたことも結果につながった。
近況はこれでGⅡV、GⅠ準V、GⅢ連覇と勢いに乗る。次なる目標は共同通信社杯(名古屋・16~19日だ。「しっかり勝ち上がってその先には脇本(雄太)さんがいる。状態はすごくいいので一矢報いたい」とオールスターでのリベンジに闘志を燃やす。競輪界最強を打倒に掲げ、大舞台でも異彩の輝きを放つ。
◇松浦 悠士(まつうら・ゆうし)1990年(平2)11月21日、広島県出身の31歳。10年7月熊本でデビュー。19年に競輪祭でGⅠ初優勝を飾ってS班入り。以降はトップ戦線を引っ張る存在に。通算成績はGⅠ3V、GⅡ3V、GⅢ17V。1㍍68、73㌔。血液型O。
◆次走 優勝した松浦、2着の平原、3着の大槻の次走はGⅡ共同通信社杯(名古屋・16~19日)。
◆寄付 日本競輪選手会岐阜支部は4日、岐阜競輪場内イベントの売り上げの一部から10万円を、新型コロナウイルス感染症拡大防止のために岐阜市民病院に寄付した。