
賞金ボードを掲げて喜びの表情を見せる中石
世界で戦うスピード見せつけた
ニューアフロモンスターの誕生だ。養成所時代からナショナルチームに所属する中石が豪快に捲った。「凄く楽しみにしていた開催。獲れて良かった」と21歳らしく屈託なく笑った。
単騎で初手は7番手スタート。同世代のライバルたちがレースを動かす中、じっと後方で脚をためた。踏み込んだのは残り1周を過ぎてから。「ホーム過ぎに緩んだので、思い切り行った。落ち着いていて脚もたまっていたし、いつもより出は良かった」とグングン加速。世界で戦うスピードで一気に前団をのみ込み、世代№・1を証明した。
直前はアフロの先輩でもある山崎賢人がナショナルチームを引退。「賢人さんに勧めてもらったアフロヘア。髪形だけで目立たずに脚でも目立てるようにしたい。賢人さんは凄い選手だけど、超えられるような力を付けていきたい」と後輩として覚悟を決める。
無論、これで満足などしていない。「競技では(ナショナルチームの)Aチームに上がって五輪を目指したい。競輪ではGⅠに出て北日本の先頭で先行して勝てる選手になれるよう力を付けたい」と目標を立てる。国内で、そして世界で。来年も髪形以上にその脚力を爆発させる。(渡辺 雄人)
◇中石 湊(なかいし・みなと)2004年(平16)11月14日生まれ、大阪市出身の21歳。私立函館大谷高卒。24年5月、125期としてプロデビュー。通算成績は85戦55勝。師匠は大森慶一。1㍍75、81㌔。血液型A。

中石(中央・赤)が2着・森田(左から2人目・紫)3着・栗山(左端・緑)を抑えて優勝
<ヤングGP・VTR> 森田―篠田―松崎―西田―黒瀬―阿部―中石―栗山―梶原で周回。赤板過ぎに前に出た梶原、阿部を西田が叩くと3番手にいた梶原の単独カマシでペースアップ。最終BSは西田、阿部の捲り合戦。最後は脚を温存した中石が驚速捲りで優勝。


