ニュース&記者コラム

【弥彦GⅠ】古性 寛仁親王牌連覇

 大阪・関西万博協賛GⅠ「第33回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」の決勝戦は20日、新潟県・弥彦競輪場で行われ、古性優作(33=大阪・100期)が直線追い込んで優勝。賞金4090万円(副賞含む)を獲得した。古性の寛仁親王牌優勝は昨年に続いて2回目、またGⅠ優勝は8月の平塚オールスターに続いて8回目となった。

 王者は簡単には負けない。ラインは崩れ、最終2センターで前は壁。「負けパターンに入った…」。それでも、4コーナーで一瞬空いた内を逃さなかった。瞬時に踏み込む。それも、前の郡司の後輪から前輪を引っこ抜く圧巻のハンドルさばきから突き抜けた。古性は「外にしか意識がなかった。体が勝手に動いた。自分でも良く反応したと思う」と淡々と大会連覇、GⅠ連続優勝を振り返った。

 道中の冷静さが光った。ラインから優勝者を、という近畿勢に対し、赤板から新山が全開で襲いかかった。そこで口が空いたが、渡部をあっさりキメて再合流。今度は郡司が脇本を締めながら捲ると、その動きにスイッチ。気づくと4コーナーを好位置で迎えた。「脇本さんも寺崎君も内に閉じ込められていたので自分で行った。ラインとして機能していなかったので正直、複雑です」と古性。最強の男は簡単に納得しない。

 安定感と修正力もとんでもない。これで今年のビッグレース7大会、全てで決勝入り。その決勝で確定板を外したのもわずか1度だけ。前回の宇都宮共同通信社杯の決勝後には「腰痛が出て…」と体が悲鳴を上げたが、青森記念を欠場し「前回よりはいい状態だった」と1カ月できっちり立て直し結果を出した。

 これで、今年の獲得賞金は2億3000万円を突破。2位の平原に1億円以上の差をつけてぶっちぎりの1位だ。輪界最強の男が目指すのは「ダブルグランドスラム」。前人未到の大快挙へ、「あとは日本選手権と競輪祭。まだまだ足りないので頑張りたい」。まずは来月の競輪祭を制して、1回目のグランドスラムへリーチをかけたい。王者はまだまだ進化を続ける。

 ◇古性 優作(こしょう・ゆうさく)1991年2月22日生まれ、大阪市出身の33歳。私立清風高卒。11年7月プロデビュー。通算成績は1084戦342勝。通算取得賞金は11億3624万円。主な優勝は第64、67回オールスター(21、24年)、グランプリ2021(21年)、第37、38回全日本選抜競輪(22、23年)、第73、74回高松宮記念杯(22、23年)、第32、33回寛仁親王牌(23、24年)。1㍍68、77㌔。血液型O。

 ◆次走 優勝した古性優作は京王閣記念(26~29日)。2着の小原太樹は四日市記念(11月7~10日)。3着の河端朋之は防府記念(11月1~4日)。

KEIRINスポニチ ファン必見!
最新ニュース配信、ミッドナイト詳細予想、記者コラム、ガールズケイリンなど無料で見られる情報が満載。そのほか、お得なキャンペーンも。