松阪競輪のスポーツニッポン賞(HANADAMAカップ・CTC杯・駅鈴賞)は7月31日、第12RでS級決勝戦が行われ、柴崎淳(35=三重)が逃げる竹内雄作の番手から鋭く踏み込んで昨年8月の立川以来、約11カ月ぶりの優勝を飾った。2着は野原雅也、3着は内藤秀久。10Rで行われたガールズ決勝戦は吉川美穂(29=和歌山)が柳原真緒の捲りにうまくスイッチして差し切り。今年6Vを飾った。
庄子―阿部―竹内―柴崎―内藤―野原―神田で周回。赤板過ぎに竹内が前のけん制を強気に叩くとグングン加速。柴崎はしっかり車間を切り、最後は中団野原の動きに合わせて踏み、11カ月ぶりのVを決めた。
「(竹内)雄作がカカッていたし内藤さんの1車も大きかった。条件がそろった優勝。脚は一番悪かった」
18年の競輪祭でGⅠ初優参。ビッグ初冠に最も近い男と目されていた。それが20年の共同通信社杯(伊東)3日目の落車で腰痛圧迫骨折の大けが。復帰までに4カ月を費やした。爆弾を抱えながらのレース。それでも、昨年は福井GⅢを含む年間3Vを挙げた。
「良くなった時に負荷をかけすぎて、今年4月に再発。友達じゃなく、恋人くらいの気持ちで腰痛と付き合っていくしかない」
ヘルニア併発で痛みの範囲も広がっているらしい。
「もうあの頃の自分には戻れない。自転車も今の体に合わせていくしかない」
悲しいがそれが現実。昨年発注した大きめサイズの新車が届いた時、柴崎淳の第二章が始まる予定だ。
9日からは西武園オールスター。「久しぶりのGⅠだし、気持ちだけは負けないように」という柴崎の気迫な走りが、苦戦続く中部勢に活力を与えてくれると信じたい。(岡田 光広)
◇柴崎 淳(しばさき・あつし)1986年(昭61)9月19日生まれ、三重県出身の35歳。朝明高校を卒業後、スイスへ自転車留学。帰国後に91期生としてデビュー。GⅢ5V。11年の競輪祭で決勝進出の実績がある。実兄は同期の柴崎俊光。1㍍73、75㌔。