玉野競輪の「スポーツニッポン杯争奪戦(FⅠ)」は5月20日、12RでS級決勝が行われ渡部哲男(45=愛媛)が片岡迪之の番手捲りを差し切り今年初V。2着は片岡、3着は藤田周磨だった。
また11Rガールズ決勝は尾崎睦(40=神奈川)が3連勝で今年5Vを飾った。
スポニチ杯の優勝カップを手にする渡部
「ラインのおかげ」
今回の玉野は松山市営の開催。〝地元戦〟の渡部が昨年11月玉野以来となる優勝を飾った。
レースは今村―片岡―渡部―小酒―吉本―小川―藤田で周回。小酒が上昇するが残り2周で今村が突っ張り先行で主導権を渡さない。打鐘で片岡は小酒と併走になるが、さばいて今村を追走する。最終ホーム前で7番手の藤田が捲ってくると片岡は2角番手捲り。片岡を追った渡部がゴール前で差し切った。
「ラインのおかげですね。今村君の気持ちを尊重して話した結果、中四国で間に片岡君を挟む形になった。ごちゃごちゃしたけど、片岡君が4角先頭で来てくれた。片岡君が地元だし、松山の開催なので複雑だったけど優勝できました」
最近は思うような結果を出せず、前回の日本選手権は半年ぶりのGⅠ出場だった。そんな中でも気持ちを切らさず努力してきたことが結果につながった。
「流れが悪い日々が続いていた。流れに乗ってレースができれば勝機がある」
45歳になっても決め脚は健在。次走の高松FⅠ(29~31日)へ最高の弾みとなった。(亀田 克也)
◇渡部 哲男(わたなべ・てつお)1979年(昭54)11月29日、愛媛県出身の45歳。84期。2000年4月、松山でプロデビュー。通算成績は2066戦、427勝。通算優勝は43回(GⅢ5回)。主な優勝はGⅡヤンググランプリ(02年)。1㍍81、86㌔。血液型A。