玉野競輪の「第47回桃太郎杯争奪戦(FⅠ)」は6月3日、11RでS級決勝が行われ、野田源一(43=福岡)が山口拳矢の番手にはまり差し切り。3月高松FⅠ以来今年2回目の優勝を飾った。2着は逃げた山口。A級は太田海也(22=岡山)が圧巻の逃げ切りで完全V。
山口の番手にはまりズブリ
落ち着いた並びは前から山口拳矢―沢田義和―角令央奈、野田源一―北津留翼―瓜生崇智、単騎の渡部哲男。残り2周前から野田が上昇してレースが動く。残り2周のホームで、初日特選と同じく山口が突っ張り野田を出させない。ただ今度は野田が打鐘前から全開で叩きに行く。またも山口は突っ張るが、後ろの沢田が離れてしまう。野田が山口の番手にはまる展開に。角の追い上げはあったがしのぎ、渡部も捲り上げるが届かない。直線で強烈に粘る山口だが、野田が際どく差し切った。
「このメンバーで正直、勝てるとは思わなかった。初日力勝負で山口君に負けているので、何とか自分の勝ちパターンを探していました」。初日は後方から捲れなかったので、今度は早めに動いて山口の脚力をロスさせる展開に。ベテランらしい考え抜かれた走りが光った。九州に若手の自力選手がいる構成でも単騎で戦う孤高の鉄人。脚力にかげりはなく、今後続くグレードレース戦線でも活躍は必至だ。(緒方 泰士)
◇野田 源一(のだ・げんいち)1978年(昭53)12月11日生まれの43歳。81期で98年8月、青森でプロデビュー。通算成績は1876戦394勝。1㍍67、72㌔。血液型O。