福井競輪の「スポーツニッポン杯・フェニックスカップ(FⅠ)」は27日、12RでS級決勝戦が行われ、武藤龍生(33=埼玉・98期)が菊池岳仁マークから抜け出し6月京王閣FⅠ以来今年4回目のVを飾った。2着は寺崎浩平。ガールズは日野未来が完全Vだった。
落ち着いた並びは前から寺崎―藤井昭吾、菊池岳仁―武藤、道場晃規―新田康仁、単騎の飯野祐太。
道場の上昇でレースが動く。残り2周を過ぎて先頭に立つが、すかさず菊池が叩いて先行態勢に。飯野は武藤後位に切り替える。打鐘過ぎから菊池がピッチを上げる。寺崎は大きく離れた6番手。菊池のペース良く最終バックまで1本棒のまま。3番手の飯野が捲り上げるが武藤のけん制で止まる。最終バックから寺崎が満を持してスパート。直線大外を強襲するが届かず武藤が菊池の番手から抜け出しV。
武藤は「菊池君は気持ちの入った先行で強かったです。飯野さんをカベにしながらと思っていましたが、寺崎君が凄い勢いで来たので…。なんとか踏ん張ることができました」と話す。
今シリーズは自転車の調整を続けた。日に日に感触は良くなりVにつなげた。
「上のレースでも活躍したいですがまずは目の前のレースを大事にしたい」
近況はビッグレースで安定した走りを見せている。自力選手が豊富な関東ラインなので、的確なマークさばきを持つ武藤の活躍は必至だ。(緒方 泰士)
◇武藤 龍生(むとう・たつお)1991年(平3)3月26日生まれ、埼玉出身の33歳。98期の在所順位21位で10年7月デビュー。父は武藤嘉伸(引退)。的確なマーク運びには定評ある。通算成績は1155戦206勝。1㍍72、83㌔。血液型A。