これはもう新女王襲名といってもいいだろう。佐藤が豪快に捲り切った。打鐘でカマした太田を目掛け絶対女王の児玉が先捲り、さらには石井が続く。後方6番手で車間を空けていた佐藤にはかなり遠くに見えたはず。「お客さんは息をのんで見守っていたと思うけど、自分も息をのんで走っていた。最後は120%の力でかわそうと思っていた」。ゴール前では石井、児玉を一気に抜き去ってゴールを駆け抜けた。
昨年のいわき平でアルテミス賞を快勝した。それでも「いつかはあの華やかなガールズドリームの舞台に立ってみたい」と強く心に刻んでいた。そのかいあって、今年はファン投票5位でドリームに選出された。平塚オールガールズでは児玉と1着同着も、玉野ガールズケイリンFに続く児玉撃破は新時代到来を感じさせるインパクトがあった。佐藤は「初めてドリームを走らせてもらって1着でファンの方に恩返しできた」と笑顔。ナショナルチームに所属、自転車競技とケイリンの二刀流の生活はまだまだ続く。次回斡旋は決まっていないが「次に走る時にはもっと強くなった姿をファンの方に見せたい」と力強く締めくくった。
◇佐藤 水菜(さとう・みな)1998年(平10)12月7日生まれ、神奈川県茅ケ崎市出身の23歳。県立茅ケ崎高卒。通算248戦171勝。通算取得賞金5388万円。主な優勝はガールズコレクション京王閣(21年)、ガールズアルテミス賞(21年)、ガールズフェスティバル(22年)、ガールズドリーム(22年)。1㍍63、59㌔。血液型A。