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【記者コラム】「ラスボス」脇本500バンク連続Vで完全復活だ

 先行日本一、脇本雄太(32=福井・94期)の参戦で大いに沸いた大宮FⅠ(2月24~26日)。3日間の売り上げはFⅠ開催としては破格の15億9900万円。〝客を呼べるスター選手〟の力は凄いなと改めて実感させられた。

 脇本がFⅠを走るのは17年の平塚グランプリシリーズ以来。大宮は初参戦でこれで〝全場制覇〟(全競輪場での出走)を達成。「500バンクを走る機会がほとんどない。宇都宮のウィナーズCへ500の感覚をつかんでおきたい」と話す。

 初日から力の違いを見せつけて当然のように決勝へ。西1人となった脇本には新山―五日市の青森勢がマーク。残る関東4車は話し合いの結果、4人で並ぶことに。自力で動ける地元の阿部に隅田、さらに久木原―真崎。あえて分かれず埼玉―栃木―埼玉―栃木の変速ラインを構築したのは相手が脇本だからこそ。先頭の阿部は「ラインから優勝者を出す」と2段駆けを明言した。これを聞いた脇本は「並ぶの?2つに分かれればいいのに」とポツリ。前回の奈良決勝では中四国勢5人の結束の前に力を封じられ松浦が優勝を飾っている。「これまで散々、やられてきたこと。なんか自分がラスボスで、みんなで力を合わせて倒すみたいな。自分が悪者のような感じ」。でも、ラスボスは強かった。関東の2段駆けの上をあっさり捲りV。

 腸骨の疲労骨折で長く休んだいただけに気になる体の状態は「あまり良くはない。奈良の後に完全復活とか言われたが、まだまだ。本当は焦らずゆっくり治して行くのがいいのだけど。ウィナーズまでゆっくりできるので次も頑張りたい」。大宮→宇都宮、500バンク連続Vの期待は大きい。

 ◇狩谷 牧生(かりや・まきお)1964年(昭39)4月11日生まれ、神奈川県出身の57歳。88年4月スポニチ入社。92年1月にレース部へ異動。1年間の競輪取材の後、中央競馬担当に。2013年、21年ぶりに競輪の現場に復帰した。取材する機会の多いミッドナイト競輪は競走得点順になり「何番車ですか?」と尋ねられることもなくなった。

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