10月23日からGⅠ「第34回寛仁親王牌」が開催される。舞台は前橋競輪場。バンクについて選手がよく口にするのは「前橋は前々にいないと駄目」。33でドームの超高速バンクで「逃げ」が重要になってくる。そこで出場選手の「逃げ」の決まり手にフォーカスし、地区の力を測ってみた。

上記の表を見ていただきたい。直近4カ月で逃げの決まり手がある選手が一番多いのは関東で9人。逃げの決まり手が8ある菊池岳仁を筆頭に7の森田優弥、そして6の真杉匠と積極的な選手が目立つ。地区の逃げ合計数でも「35」と他地区を圧倒。平均競走得点もトップで、バンク相性も含めて〝地区力〟は一番だ。
続くのは南関。根田空史が逃げ7を持ち、郡司浩平、深谷知広も3回ずつ。合計数「27」も2位でこちらも舞台相性は良い。また、決まり手だけを見ると苦戦しそうなのが北日本。参加人数は近畿に次ぐ2位の17人いるが、逃げの決まり手があるのは6の新山響平と1の高橋晋也の2人だけ。合計数も「7」で唯一のひと桁。追い込みは強力だが、前橋とは相性が悪いか。ちなみに逃げの決まり手トップは「10」の犬伏湧也と岸田剛。特に犬伏は記念とビッグのみの出走でこの数字は凄い。バンク特性も味方に初タイトルもありそう。
前々有利な前橋だけに、逃げの決まり手を重視した車券作戦をとってみても面白い。
◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の30歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。22年は中央競馬との二刀流に挑戦。23年から再び競輪一本に。愛犬の名前は「ジャン」。


