今年最初のGⅠ全日本選抜競輪が、21日から愛知・豊橋競輪場で4日間にわたって行われる。参加選手は108人で、S級S班は北井佑季(神奈川)を除く8選手が出場。早々に年末のグランプリ(12月30日、平塚)出場権を手にするのは誰か。
優勝争いは昨年のグランプリを制した古性優作(大阪)と、昨年の当レースの覇者・郡司浩平(神奈川)の2人を中心に展開されるだろう。1番の理由は過去4年の全日本選抜競輪は、この2人が2勝ずつしているから。これは単なる偶然ではなく、この時期に調子を上げる選手だから。風邪などで体調を崩しやすい選手は多いが、古性と郡司は体調管理がしっかりできている証拠だ。
今年も2人とも好仕上がり。古性は和歌山記念で優勝、奈良記念決勝2着と順調。郡司は立川記念決勝2着、松阪記念、高松記念連続優勝と絶好調だ。ともに自力でもトップクラスだが、同地区に強力な援軍がいるのも心強い。古性にはグランプリでも連係した脇本雄太(福井)がおり、他にも寺崎浩平(福井)、窓場千加頼(京都)ら近畿勢のアシストが見込める。郡司には同県の松井宏佑や深谷知広(静岡)がいる。松井は奈良記念、深谷は静岡記念といずれも直前のレースを制覇。後ろを固める岩本俊介(千葉)も静岡記念決勝2着と存在感を見せた。南関勢の仕上がりは万全で北井不在の穴を感じさせない布陣だ。
他で真杉匠(栃木)に注目。1月は斡旋停止で前走の静岡記念が今年の初戦となったが、連日鋭い動きを披露して好仕上がりぶりをアピール。タテ、ヨコ自在の戦法の広さは前述の2人に劣らないだけに目が離せない一人。オールスター、競輪祭に次ぐ3個目のGⅠタイトル奪取は十分にありうる。
◇鈴木 智憲(すずき・とものり)1967年生まれ。愛知県出身の57歳。92年スポニチ入社。97年から2年間競輪記者を経験。当時は神山雄一郎、吉岡稔真が東西の横綱として君臨していた。24年4月に26年ぶりに現場復帰。