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【記者コラム】〝ひと味違う〟8年ぶり宇都宮のビッグ

 18日から宇都宮競輪場で「ウィナーズカップ」が行われる。宇都宮でのビッグレース(4日制以上のGⅡ)開催は14年6月の高松宮記念杯以来、8年ぶり9回目。

 宇都宮のビッグといえばオールドファンには「オールスター」。競輪全盛時の1987年(昭62)9月に宇都宮では初のビッグ開催だった。新人記者の私は朝から場外車券売り場に走り、午後は会社内でテレビ中継を見た。宇都宮では3年後の90年と93年にも「オールスター」を開催。87年と90年は滝沢正光(引退)が怪物の強さを見せつけて優勝した。そして93年は神山雄一郎が地元バンクで初の特別制覇。88年デビューからスター街道を駆け抜けた神山がやっと手にしたタイトルだった。

 決勝戦後のインタビュー。神山の涙が止まらず、言葉にならない。大勢の地元ファンが金網越しに〝神山おめでとう〟と涙を流したシーンは感動的だった。そして96年は「全日本選抜競輪」が行われ海田和裕(引退)が優勝。神山が1着ゴールと勘違いしたウイニングランもまた記憶に残る。

 その後、宇都宮では共同通信社杯(02年)、東西王座戦(07年)を開催した。

 10年には宇都宮競輪場が新装されて走路のホームとバックが入れ替わった。10年8月の「全日本選抜」は佐藤友和(岩手)が優勝、14年の高松宮記念杯は稲川翔(大阪)が優勝した。

 宇都宮の500バンクは〝地元選手がうまい〟イメージが強かった。現在は500バンクが少なくなっただけに〝500のビッグはひと味違う〟感がある。

 35年前のオールスターを施行者として経験、そして今回は公営事業所所長として迎える戸室秀朗氏も力が入る。「(新型コロナウイルス感染症拡大予防対策のため)場内の滞留者数に制限(2500人)はありますが宇都宮500バンクを楽しんでほしい」。東入場門入り口のガイダンスコーナーでは神山雄一郎の等身大パネルが出迎えてくれるのも宇都宮ならではだ。

 ◇中林 陵治(なかばやし・りょうじ)1962年(昭37)7月13日生まれ、熊本県出身の59歳。慶大卒。87年4月入社、翌5月に小橋正義(引退)ら59期生デビュー戦(花月園新人リーグ)で記者デビュー。以来、競輪の現場取材一筋35年。9車の勝負レースは5車の結束、番手捲り、競り。

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