4月26~28日に行われた第2回GⅠオールガールズクラシック。児玉碧衣の見事な地元優勝で幕を閉じた。ただ、売り上げは昨年の松戸開催から微減だった。まだ全てが手探りのガールズGⅠ。良いも悪いも積み重ねていくのだろうが〝完成形〟は何なのか。
個人的にガールズGⅠは33バンクでの開催がベストではないかと感じた。理由はもっと仕掛け合いが見たいから。今回400バンクの久留米では、予選で逃げ切りが0。対して33の松戸は同5レース中4レースが逃げ切りだった。ラインがないガールズは元来、先行が不利。さらにGⅠは力差がなく、勝ち上がりは普段のポイント制ではなく一発勝負。余計に誰も行きたがらず、仕掛けは遅くなる。ルール、メンバー的に不利ならば、バンク特性で補っても良いのではないか。
〝逃げたくない〟という思いが、決勝を6車立てにもした。20秒近いスタートけん制の後、小林莉子が誘導員を追った。誘導員に追いついたのは赤板で、もう小林に脚は残っておらず勝負権はなし。前を取れば誰も仕掛けて来ず、泳がされて脚を使う。全員がそれを嫌った。ただ、33なら前受けして先行でもワンチャンスある。実際、昨年の初日特選にあたるティアラCでは、山原さくらが前受けから逃げ切った。同じ悲劇は起きないはず。
〝逃げるが勝ち〟か〝逃げたら負け〟か、好みはあるだろう。来年の8月には第1回GⅠ女子オールスターが500バンクの宇都宮で行われる。長走路は…という気もするが、大盛り上がりで大会後にこのコラムが大馬鹿にされる可能性もある。まだ手探りなガールズGⅠ。何が正解かはまだ分からない。ただ、ガールズ13年でここまで形になった。ファン、選手が意見を出し合って、納得の完成形になることを望んでいる。
◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の28歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。22年は中央競馬との二刀流に挑戦。23年から再び競輪1本に。愛犬の名前は「ジャン」。オールガールズクラシックとダービーで、すがすがしいほど負けた。