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【記者コラム】スポニチ杯開催中 宇都宮の魅力

 宇都宮競輪はスポニチ杯を開催中。初日S級特選は野原雅也の逃げに乗った村上博幸が抜け出すが、ゴール直前で大槻寛徳が強襲して先勝。2着の村上が「500の難しさが…」と振り返るようにゴール直前の逆転劇が500バンクならではの面白さの1つだ。

 500バンクは現在、宇都宮、大宮、高知の3場で開催。車券売上げ全盛時の91年には千葉、西武園(現400)、大津びわこ、松山(現400)、門司、熊本の9場が500バンクだった。22年6月まで高松宮杯が大津びわこ競輪場で開催されていたため500バンクの攻防を目にする機会は多かった。また〝500がうまい選手〟を探すのが大事な車券戦術だった。

 宇都宮の500バンクで特別競輪が初めて開催されたのは87年オールスター。私が記者デビューの年で滝澤正光氏(千葉=引退)が年間勝率・800の全盛時。滝澤氏は完全優勝を飾った。宇都宮オールスターは90年と93年も開催。90年の優勝も滝澤氏、そして93年は神山雄一郎が地元で特別競輪初制覇を達成した。〝神山の優勝シーン〟は今でも鮮明に覚えている。

 その後、宇都宮競輪場は09年4月にメインスタンドをリニューアルオープン。そして500バンクのゴール線とバック線が入れ替わった。翌10年8月には全日本選抜競輪を開催した。

 宇都宮競輪の中継を見ると聞こえてくるのが「風のワンダーランド」のテーマソング。この曲は02年、新賭式(3連単など)の導入や共同通信社杯開催に力を入れていたこともあり、イメージアップを図るために作成された。03年からは宇都宮競輪開設記念の名称に「ワンダーランドカップ争奪戦」が命名された。

 宇都宮競輪場は八幡山公園に隣接する。「八幡山公園は春は桜の名所として市民の憩いの場になっています」(宇都宮競輪施行者)。春場に旅打ちで訪れてほしい競輪場の1つだ。

 ◇中林 陵治(なかばやし・りょうじ)1962年(昭37)生まれ、熊本県出身の60歳。慶大卒。87年4月入社、同5月から競輪記者。以来、現場取材一筋36年、宇都宮市内の雀荘、健康センター、飲食店は把握している。

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