ナイター競輪発祥の地・函館でGⅢナイターが開幕する。ナイター競輪は今でこそ日常だが、初めてのナイター開催は98年7月の函館だった。85年7月に「サマータイムレース」(別名・薄暮競輪)を行ったこともあり、函館はナイター実施に向けて熱心だった。
そして98年7月8日に函館S級戦で幕を開けた。前日の7月7日は「ふるさとダービー弥彦」の決勝戦。優勝した神山雄一郎(現・日本競輪選手養成所所長)が函館ナイター開幕戦のゲストに招かれていた。しかし、予定の飛行機が遅れ、神山氏は最終レース直前に間に合った記憶がある。
函館後は99年に平塚、00年に小倉、01年に川崎でナイターが始まり現在に至る。GⅢナイターは17年4月の川崎で始まった。当時はナイター場外数の影響(売り上げ)もあり、翌18年のGⅢナイターは川崎と函館で2節ずつ開催された。
函館記念は「五稜郭杯争奪戦」として争われる。今日の12R特選メンバーで優勝歴があるのは成田和也(1回)、新山響平(2回)、松浦悠士(函館記念1回とサマーナイトF2回)、嘉永泰斗(1回)の4人。
この数年では23年5月の嘉永の走りが記憶に残る。後方から仕掛けた嘉永が前団の犬伏湧也を捉えたスピードは〝特別を狙える選手だな〟と感じた。13日の前検日に嘉永に3年前の話を聞いたら「自分でも当時が今より良かった感じがします。今回もその時の映像を見てイメージを思い出してきました」と語ってくれた。今年からSSとして「常に見られる立場として練習の意識が変わりました」と責任感も増した嘉永。今シリーズの走りで後半戦の巻き返しのキッカケをつかむかにも注目したい。
また、本場ファンにお知らせを1つ。函館競輪場は競走路大規模改修工事のため7月14~16日の開催で終了。来年8月以降の再開まで本場開催はない。
◇中林 陵治(なかばやし・りょうじ)熊本県八代市出身の63歳。慶大卒。87年5月の花月園新人リーグ(倉岡慎太郎ら59期生)で競輪記者デビュー以来、現場取材一筋39年。デビューから見た選手で最強は神山雄一郎、最速は吉岡稔真。


