東京五輪の自転車トラック競技は、ボートレース浜名湖の取材の合間に記者席で観戦していた。チームJAPANが獲得したメダルは女子オムニアムの梶原悠未(24=筑波大大学院)の銀メダルのみと寂しい結果となったが、男子ケイリンの脇本雄太は準決勝の(内抜きの反則を受け)不運を除けば4戦3勝。金メダルの夢は成し遂げられなかったが、7位という結果に胸を張っていいと思う。感動しました。
〝中0日〟で出場したオールスター(いわき平)でもきっちりと決勝に進出。痛快先行でレースを完全に支配した。結果、古性優作のGⅠ初Vをアシストして、自身も2着に粘り込んだ。グランプリ〝一発ツモ〟とはならなかったが、一大会だけで2700万円の賞金を獲得して現在の賞金ランキングは第17位。十分に巻き返せる位置に付けている。ビッグ後半戦のカギは、この脇本が握ってくることになるだろう。9月17日に岐阜競輪場で開幕する第37回共同通信社杯(GⅡ)の走りにも大注目である。
その共同杯は事前申込制による有人開催を目指している。8月27日から岐阜県にも出された緊急事態宣言は9月12日まで。ただ延長される可能性が高くなってきた。GⅠオールスター(いわき平)のように、直前で無観客開催に変更されることも覚悟していた方がいいだろう。寂しいことだが、現在の日本国内の感染爆発を考えれば仕方ない。われわれケイリンファンも我慢するしかないだろう。
個人的には1回目のワクチン接種の直前に、この記事を書き上げようとしている。連日報道されている異物混入のニュースや、副反応の経験談を聞いてやや及び腰である。それでも自分自身や周囲への感染リスクを減らすためには打つべきと決意した。打てば取材時の安心感にもつながるだろう。好きなときに、好きな選手に、好きなだけ話を聞けるのが当たり前だった、以前の取材態勢に戻る日を信じて…。
【記者コラム】ビッグ後半のキーマンは脇本雄太
2021/9/1