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【記者コラム】ライジングなベテラン2人

 オールスターは上昇一途の真杉匠が優勝を果たした。大盛況だったGⅠの裏で行われていたのがKEIRINライジングスターズ。そんなFⅠ開催にも、苦しい時を乗り越え上昇中、まさに〝ライジング〟な選手たちがいた。

 1人目は高橋陽介(41=青森・89期)。昨年11月の小田原で落車し、鼓膜血腫という大ケガを負った。「最初はヤバイかなと思った。選手として復帰できるか不安になった」という高橋。右半身はしびれ、思うように動かなくなった。幸い、頭に小さな穴を開け血の塊を取り除く手術で症状は緩和。懸命なリハビリもあり、ケガから約半年でバンクに帰って来た。

 復帰から約4カ月。現状を聞くと、「確実に良くなっている。離れてレースにならないことはないし、だいぶ戻ってきた」と力強かった。当面の目標を聞くと、「まずは1着。気持ちは全然切れていないし、ビッグレースに戻ることも諦めていない」。その表情からは、ここからのライジングを確信させた。

 もう1人は小林大介(45=群馬・79期)。「2年くらい前から心臓がおかしかった。心臓だけおじいちゃんみたいな感じ。1年かけて良くなったのかもしれないけど、今度は普通が分からなくなって…」と原因不明の症状に襲われた。6月の地元・前橋記念で1着を獲るとインタビューで涙。苦しんだ分だけ感情があふれた。

 今回の地元戦も準決で1着。「前だったら1着を獲れていなかったし、徐々に良くなってきた」と確かな手応えをつかんでいる。「自分で不安になって苦しんでいたけど今は〝これくらい1、2割のハンデ〟と思って割り切っている。ずっと(S級)1班だったし、今期も点数を取って戻りたい」と明確に目標を示した。

 若手だけではない。ライジングなベテランたちからも目が離せない。

 ◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の28歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。昨年は中央競馬との二刀流に挑戦。今年から再び競輪一本に。愛犬の名前は「ジャン」。

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