激闘が繰り広げられたGⅠ高松宮記念杯(6月13~18日)。地元・古性優作の大会連覇で幕を閉じたが、その裏で躍進を目指して精進する若獅子たちの姿があった。
佐々木豪(27=愛媛)は5月以降、なかなか勝ち切れないレースが続いていた。6月佐世保が終わってから、徳島に遠征して出稽古を行って臨んだ6月名古屋では、3年ぶりの優勝を飾った。
「最近は流れが悪くてメンタルも弱くて、徳島で環境を変えたことが良かった。ちょっとつきものが取れた感じ」
スランプ気味になっていたそれまでとは一転、犬伏湧也ら競輪界屈指の猛者たちと練習して刺激を受けたことによって、本来の力強さを取り戻して見事に結果を出した。刺激だけではなく、それ以外の収穫もあった。「セッティングをめっちゃ変えたので。自分の一番いい乗り方に煮詰められたのは大きい」と試行錯誤を重ねながら進化を遂げている。名古屋の予選では6番手に置かれる展開も逃げる竹内雄作を豪快に捲って快勝。好タイムを記録して、自慢のスピードには磨きがかかっていた。決勝では犬伏の番手回りでしっかりチャンスをモノにした。自信を取り戻して復活を遂げただけに、今度はG戦線で自慢の剛脚を発揮する。
ガールズ122期の小泉夢菜(24=埼玉)は登竜門である4月高知フレッシュクイーンを制覇。その後は安定感が光っているものの、1着から遠ざかっている状況が続いている。「5月小倉でギアを⒊71から、⒊79に変えました。7月ガールズケイリンフェスティバル(函館、15~17日)に向けて強化したいと思ったので。まだ71の時のように踏み切れてないけど、徐々に踏み応えは良くなっています」とパワーアップを目指して一段階ギアをアップ。持ち味である機敏な動きは世代でも指折り。初の特別競走でも、臆せずに攻めて存在感をアピールする。(栗林 幸太郎)