
昨日閉幕した第21回サマーナイトフェスティバルは前検日から波乱だった。V候補筆頭だった脇本雄太が急きょ欠場。レースが始まってからも予想外の出来事が続く。初日10R特選で、7月からSS班になった松浦悠士が落車。肋骨骨折、肺挫傷の大けがで欠場になった。さらに2日目はSS班の新山響平が落車欠場。3日目準決勝では王者の古性優作までが落車して右肩鎖関節脱臼の大けがを負ってしまう。後半戦が始まったばかりのアクシデントは返す返すも残念だ。
そんな中でも地元の太田海也は初日5着から繰り上がり、気持ちを切り替えて決勝に進出した。決勝進出こそならなかったが、太田と同期で同じく早期卒業組の中野慎詞(26、岩手)=写真=もパワフルな走りで存在感を示した。初日は果敢に主導権を取って2着。2次予選は深谷知広、犬伏湧也が相手と屈指の激戦区となった。レースでは3番手を確保して犬伏を捲り、深谷の強襲を浴びたが2着で準決勝に進んだ。「思ったよりも車間が空いて最後はいっぱいに。深谷さんに踏み負けてしまった」と話すが、手応えはつかんだ様子。そして準決勝では残り2週過ぎから踏み続けて深谷を出させない。最後は力尽きたが改めて五輪ケイリン4位の実力を見せ付けた。
前回GⅠが事故入で上位進出ならなかったので、今回は期すものがあった。強いレースを見せ付けたことで他地区の自力選手にとっては大きな脅威となる。次回は地元地区の函館で開催されるオールスター競輪(8月12~17日)だ。北日本躍進のキーマンとしての活躍が期待される。(緒方 泰士)