宇都宮記念が21日開幕。新型コロナウイルス感染拡大防止のため開催中止が続く中、グレードレースは4月23~26日の武雄記念以来の開催となる。今回の有力選手は「静岡ダービー」に向けた練習の中で中止決定。その後も〝次走が決まらない〟状況での練習は「気持ちが難しかった」との声が多かった。一方「いつレースを走ってもいいようにやるべきことはやっていた」の選手も少なくなかった。
メインの12R特選は平原、浅井、松浦ら豪華メンバーで激戦が繰り広げられる。その前の一次予選で狙ってみたいのは20日の前検日に走る喜びを感じさせた地元選手。年に一度の地元記念。開催可否が微妙な中、練習を続けてレースを迎えるだけに、いつも以上に気迫を感じた。電話投票の残高を増やしてくれそうな地元選手の前検日の気配を紹介する。
2Rの雨谷は前々回伊東(4月29~5月1日)で約6カ月ぶりのレースを走り前回名古屋(8~10日)で「大分良くなってきた」と感触をつかんでの参戦。「アピールしたい」の言葉が何度も口をついていた。
5Rの長島は武雄記念以来の実戦。「走れてうれしい」と喜びを語った後に「感触自体はずっといい。頑張るだけです」と今年1月宇都宮(❾3落)の分まで取り返す気持ちだ。
8Rの神山雄一郎は「(地元記念を)走れて良かった。いいレースをしたい。練習もしてるし成果を出したいです」と落ち着いて話した。88年デビュー、数々の記録を塗り替えた王者は宇都宮記念の象徴。今回も健在ぶりを見せてほしい。
予選メインの11Rは坂井洋と神山拓弥の地元コンビが人気の中心。坂井は直前の玉野(13~15日)でS級3度目の優勝を飾り上り調子。そして神山拓は「離れないように」と坂井に続いて地元ワンツーを目指す。
♤中林 陵治(なかばやし・りょうじ)1962年(昭37)7月13日生まれ、熊本県出身の57歳。慶大卒。87年4月入社、翌5月に坂本英一(栃木=59期)ら59期生のデビュー戦(花月園新人リーグ)で記者デビュー。以来、競輪の現場取材一筋33年。好きなレースは5車の結束、番手まくり、競り。
【記者コラム】困難な中での記念に地元選手ウズウズ
2020/5/21