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【記者コラム】乗り方追求し復活した守沢

 輪界一しなやかな男が復活した。地元の青森記念で2勝を挙げた守沢太志(40=秋田・96期)。21~23年の3年間、赤パンを履いた男の動きは全盛期を思い出させた。「感覚が良かったですね。忘れていた大事なことを思い出して、いい時の感じがした」といつもの優しい顔で話した。

 「あの時は強かったですね…」というS班時代。追い込み離れしたタテ脚と、厳しいヨコでラインに貢献しながら結果を出した。しかし、激しいスタイルにより落車が続いた。致命傷となったのが、23年平塚ダービーでの落車。「首の骨を折って…。そこからフォームを少し改造したら間違った方向にいってしまった」と最高位から陥落。そのままビッグレースでの存在感も失われてしまった。

 復活の契機はケガの回復と、勤勉に求め続けた乗り方にあった。「自分は筋肉量が少ないので乗り方でカバーするしかない。乗り方一本です。今回は些細なことだけど骨盤の使い方を思い出した」と明かす。ロードレース出身でS級選手の中では細身。そのしなやかな体から自転車に最大限力を伝えるために、鍛えるだけでなくひたすら学んだ。「昔は本で知識を取り入れていた。今は室内で固定バイクで練習する際には、体の使い方の動画を見ながらやっている」と練習しながら勉強。とにかく求めた先に復活した。

 まだ老け込む年齢ではない。「刺激になります」と4歳上の南修二のビッグ初制覇に感銘を受ける。さらに目標とするのは同県でS級最年長V記録(53歳11カ月5日)を持つ内藤宣彦。「本当にリスペクトしています。自分も10年、今の位置にい続けたいですね」と、それを可能と思わせる若々しい笑顔で話した。きょう、初日を迎える京王閣記念にも登場。「帰ってきた感じがする」と明大時代に汗を流したバンクで存在感を示しててくれるはずだ。

 ◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の30歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。22年は中央競馬との二刀流に挑戦。23年から再び競輪1本に。愛犬の名前は「ジャン」。

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