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【記者コラム】二刀流の超新星・太田海也

 ファン投票による夢の大舞台。GⅠ「第65回オールスター競輪」は15日に幕を閉じた。台風接近のため1日順延となったが、トップクラスの共演に連日、レースは白熱。特に脇本雄太の次元が違うパフォーマンスは強烈なインパクトを与えた。そんなNo.1の背中を追ってデビューした新人が原石の輝きを増している。特に121期の早期卒業生の中野慎詞、太田海也=写真=は次代を担う逸材として熱視線が注がれている。

 中野は5月のデビューから無傷の27連勝(デビューから最多連勝)という記録を樹立した。GⅡ共同通信社杯(9月16日~、名古屋)出場も決定。スター街道をまっしぐらに進んでいる。

 一方の太田は失格などでやや足踏みしたが、昨日開幕した奈良競輪「西日本カップ・秋篠賞(FⅠ)」でS級特別昇級をかけて奮闘している。近畿初見参としてその大物ぶりに注目が集まった。

 太田の凄いところは自転車競技の経験が少ない中で、早期卒業後にナショナルチーム入りしたところ。本業の競輪だけではなく、競技でもめきめき頭角を現した。7月31日に行われた「ジャパントラックカップⅡ」の男子スプリントでも、寺崎浩平、山崎賢人ら相手に見事に優勝。「運が良かった。たまたまです」と控えめだったが、誰もが認める潜在能力の持ち主には間違いない。競輪と競技の〝二刀流〟だが「両方しっかりと与えられたところで結果を出せるようにしたい」と目を輝かせる。

 その奈良競輪初日の予選3Rは捲りになったが、9秒0のバンクタイで圧勝した。特進へマジック2。ポテンシャルの違いを見せつけた。奈良の後は26日から開催される「2022全日本自転車競技選手権大会トラック」に出場予定。今回の奈良でスカッと特別昇級を決めて、次のステージに進んでもらおう。(下野 章雄

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