ニュース&記者コラム

【記者コラム】今年のダービーもドラマあり

 第76回日本選手権競輪(いわき平)は脇本雄太が優勝した。圧倒的強さに他8人は完敗宣言。最強を示す一戦となった。総売り上げは151億4506万8900円で目標の130億円を軽くオーバー。前年比(京王閣121億6719万4600円)24.5%増と大盛況で幕を閉じた。

 今年もいろんなドラマがあった。前検日の指定練習中に落車した新田祐大が無念の欠場。同じく注目された松浦悠士の大会連覇と、地元の山崎芳仁によるグランドスラム達成も、4日目の2次予選9Rで同時に消滅。立役者は渡辺雄太。想定外の後ろ攻めとなっても冷静に対処して、和田健太郎と南関ワンツー。価値のありすぎる2着だった。

 「全日本選抜の準決勝で深谷知広さんとの連係を決められなかったので、絶対に勝ち上がりたかった」

 個人の思いが大記録を阻止するほどの力を生み出すこともある。目の前のレースが、のちのレースの流れを大きく変える要因になっているかもしれないのだから競輪は本当に奥が深い。

 3日目ガールズコレクションの柳原真緒もそうだ。高木真備の引退による繰り上がり出場だが、市田佳寿浩の指導を受けながら着々と準備を進めていた。

 「師匠がそろえてくれた器具でウエート練習を増やして体が引き締まった。最初は200㌔も上げることができなかったレッグプレスも、300㌔で行えるようになった」

 そろそろ師匠にいい報告を持って帰りたい。その強い思いと練習の成果が、盤石のレースをした児玉碧衣を捲り追い込みで下す大金星につながった。ニューヒロインの誕生により、ガールズ戦のパワーバランスも大きく変わるだろう。華々しいダービーの舞台裏で、三重の萩原操さんがひっそりと現役生活に終止符を打った。多くの最高齢記録と多くのお弟子さんたちを育て上げ、私たち記者にも常に温かく接してくれたレジェンド。39年間、本当にお疲れさまでした。

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