今年はビッグ戦線で躍動している北井佑季(34=神奈川、119期)。2月の全日本選抜、3月のウイナーズカップでは優出。5月の日本選手権では一転、警戒される立場になって苦戦する場面もあった。1走目は叩けず力を出し切れずに終わると、2走目では3番手の寺崎浩平に捲られて予選敗退。しかし、このままでは終われず、残り2走は2、1着として存在感は示した。
特に4走目は持ち味をしっかりと発揮していた。突っ張り先行を敢行すると番手は絡まれるも、末良く踏み直して後続を突き放して押し切った。初日から強風の影響で、シリーズを通して逃げの決まり手は、これを含めて3回しか出なかっただけに、価値のある逃げ切りとなった。
「しっかり(別線が)来るところを見て、自分なりのペースで行けた」と自身の競走はできた様子だが、シリーズを通して課題も残った。「(1走目は)力を持て余した悔しさと(2走目は)勝ち上がれなかった悔しさがあった」と振り返る。「脚力を付けないといけない。いろいろな方面から警戒されるので。自在性もないので、その中でどう力を出し切るかが課題となる」。今まではチャレンジャーとして挑む立場だったが、点数の上昇とともに立場は逆転。周りから挑まれる立場になって、レースでの対応が求められるシリーズとなった。
その中でも北井本来の走りである〝積極果敢〟な姿勢は一貫してブレていない。「出し惜しみしないで、積極的な走りで思い切ったレースができれば」。戦うステージが上がり、その都度、対応力がシビアに求められることが増えてきたが、迷いなき仕掛けから輪界屈指のパワーを発揮して、後半戦も躍動していく。