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【記者コラム】坪内恒〝地元〟Vで勢いに乗る

 思い出の地で最高の結果をつかんだ。123期の坪内恒(34=千葉、写真)は19日の奈良でA級1、2班戦初優勝を飾った。

 奈良は初出走ながら、18歳まで過ごした。それだけに前検日から〝地元〟への強い思いが受け取れた。

 「奈良で生まれて、高校ではラグビーをしていました。青山学院大学を卒業して東京で社会人を4年間したけど向いてなかったです。仕事を辞めて、競輪選手を目指しました」

 23年4月にデビューすると、24年1月にA級2班へ特別昇班。落車のケガで調子を崩した時期もあったが今年7月からA級1班となった。8月取手、9月西武園と連続で決勝に進出して競走得点がグングン上昇。初めての特選スタートが奈良だったのは因縁めいたものを感じさせた。そこで、残り2周前から主導権を奪うと力強く逃げ切った。

 「ごちゃごちゃするより早めに出た方が自分はいいですね。緊張しちゃって、脚見せ(選手紹介)でペダルがなかなか入らなかった」と〝地元〟のプレッシャーに苦笑い。2日目の準決勝は前受けから突っ張り先行。番手に差されたが2着に逃げ粘って決勝進出を決めた。「初日より進みは良くなかったですね。最初の何歩目からで(安藤直希を)合わせ切ったと思ったけど意外と近くまで来てましたね」と修正点を上げた。それでも内容は満点に近い。奈良の短走路も坪内に味方した。

 「松戸よりも走りやすいですね。PIST6で走っている(千葉の)250バンクに近い感じ。(4角から)すぐ直線だし」

 決勝は打鐘で3番手を確保して最終2角から捲っていく。最終バックで先頭に立つと、そのままゴールを駆け抜けた。これで勢いがついた。このまま結果を積み重ねて、来年はS級で走っていることを期待している。(亀田 克也)

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