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【記者コラム】大けがやガンから奇跡の復帰!!ファイター北村

 群馬の名マーカー北村貴幸が奮闘している。昨年5月の和歌山で落車し肋骨10本と鎖骨を骨折、肺気胸にもなった。その際、入院先で精密検査を受けたところ大腸がんが見つかり、肝臓にも転移していることが分かった。「今、思えばあの時に見つかって良かったと思っています。復帰は難しいかと思ったのですが、また戻って来られてありがたい。走れるなんて奇跡です」と振り返った。

 9月の弥彦で約1年4カ月ぶりに復帰。復帰2戦目の函館最終日には復帰後初勝利を挙げた。「3番手を回るはずだったんですけど、番手の選手が当日欠場で番手を回れることになったんです。他地区の選手だったのに逃げてくれて、チャンスを生かすことができました。周りの選手たちからも祝福の声をかけてもらって、うれしかったですね」と話した。

 27日からはいわき平に出走。初日は同県田村真広の追い上げにしっかり付いていって4着。「復帰4戦目になりますが、流れの中で動けているしレース勘は戻って来ている。焦らず徐々にやっていきます」。2日目は本線の関東3番手。実質先行1車のメンバーだっただけに外から競り込まれたが、しっかり守り切った。ゴール前で差されて4着だったが「あれで脚を削られたし仕方ない。内も締めなきゃいけなかったしね」と満足げだった。

  「まだ治療中で抗がん剤を飲みながら走っていますが、普通に生活できるようにはなった。自分が頑張っている姿を見せることで、がんと闘っている人たちの励みになれば。それが僕の役目だと思っています」。ファイター北村の走りにこれからも注目していきたい。

 ◇北村 貴幸(きたむら・たかゆき)1971年(昭46)8月3日生まれ、群馬県出身の54歳。93年4月に71期生として前橋でデビュー。98~07年頃にはGⅠ戦線でも活躍。師匠は稲村雅士。1㍍65、65㌔。血液型A。

 ◇鈴木 智憲(すずき・とものり)1967年生まれ、愛知県出身の58歳。92年スポニチ入社。97年から2年間競輪記者を経験。当時は神山雄一郎、吉岡稔真が東西の横綱として君臨していた。24年4月に26年ぶりに現場復帰。

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