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【記者コラム】小坂 親友のGI騎手から刺激

 俺も負けていられん!競馬も取材していた昨年。関東のホープ騎手・石川裕紀人がGⅠ初制覇を果たすと、美浦トレセンは大祝福ムードに。その27歳に刺激を受けた競輪選手が1人いた。小坂丈(27=茨城・121期)。石川とは中学時代からの親友だ。小坂は「開催中だったので伊東で裕紀人を応援していました。うれしかったですね。刺激になりました。ただ、ブラボーはちょっとスベっていましたね(笑い)」と祝福しながらいじった。

 出会いは東京の聖徳学園中学校。同じクラスだったことで仲を深めた。そこから小坂はアイスホッケーでの活躍を誓い米国へ。石川は騎手の道へと進んだ。帰国した小坂は20年の春から周りには伝えず、競輪選手になることを決意した。ただ、騎手になっていた親友はほっとかなかった。石川は小坂の父の職場に電話。同じ勝負の世界の先輩として、親友として心配してくれたという。「ありがたかったですね。向こうは18歳からこの世界にいる。本当に尊敬します。より選手を目指す気持ちが強くなりました」と競輪選手の門をこじ開けた。

 今月18日、小坂は地元・取手のチャレンジ決勝に駒を進めた。その雄姿を見るため、石川も早朝の調教にまたがった後、競輪場に駆けつけた。気合の入った突っ張り先行も、結果は5着。「〝おまえを外して買ったら車券が当たったよ(笑い)〟と言われました。車券に情けはいらないですよね」と小坂は笑った。今度は自身の優勝と同時に、石川の財布を膨らませるのも目標だ。

 石川のGⅠ制覇から2カ月。まだ祝勝会ができていないという。「早くやりたいんですけどね。裕紀人はもうGⅢ以上を何度も勝っている。自分も負けないように活躍して、一緒に祝勝会ができたらいいですね」。異種競技の親友に追いつくことを夢見て。小坂はペダルに力を込め続ける。

 ◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、石川、小坂と同じ東京都出身の27歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。昨年は中央競馬との二刀流に挑戦。今年から再び競輪一本に。愛犬の名前は「ジャン」。

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